10月8日、月曜日。曇り日。
「日比谷シャンテ」へ、マーク・フォースター監督の『かごの中の瞳』を見にいく。
電車のなかで、浅田次郎の『天切り松 闇がたり』を読了。1巻では少年だった松蔵も、5巻では青年になっている。そして、その昔がたりをするのは老人になった松蔵、というわけで、たのしい松蔵の話を、囚人や署長、看守などといっしょにここ長らくたのしませてもらった。
併読している本があるので時間がかかってしまったけれど、それだけ長く松蔵の話をたのしませてもらった。この本を教えてくださったmarcoさんに、あらためて感謝。marcoさん、「天切り松 闇がたり」のテレビドラマがDVDになっていますよ、ご存知ですか。
こちらにそのときの監督・配役を書いておきますね。
監督:本木克英
製作:金子成人
出演:中村勘三郎(松蔵)、椎名桔平(黄不動、栄治)、渡辺謙(目細の安吉親分)、井川遥(松蔵の姉)、丹波哲郎(東郷平八郎)、岸部一徳(永井荷風)、久野雅弘(松蔵の子供時代)、六平直政(寅兄ィ)。
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10時55分からマーク・フォースター監督の『かごの中の瞳』を見る。
夫のジェームズと赴任先のバンコクで幸せな結婚生活を送るジーナは、子どもの頃に遭った交通事故が原因で失明してしまったが、献身的な夫の支えで何不自由のない生活を送っていた。
ある時、医師のすすめで受けた角膜移植により片目の視力を取り戻した彼女は、心から喜ぶ一方で、初めて目にした夫の姿が夢想していた素敵な夫ではなく、地味で冴えない中年男だったという現実に直面する。
これまで眠っていた好奇心や冒険心が目覚め、流行りのファッションで着飾り、外の世界へと飛び出していくジーナ。そんな妻にジェームズは疑念と嫉妬を感じるようになる。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/89467/
男性の側からみると、怖い映画。自分の手のなかに収まっていた妻が、目が見えるようになると、外界に接触する。そして、鏡をみるようになった妻は、どんどん美しくなっていく。まわりの男性も妻に関心をはらうようになる。自分だけが、だんだん置き去りになっていくような冷ややかな関係の変化。
主演のジーナを演じたブレイク・ライブリーが、美しくなっていく。理想のひとにおもえた夫は、どこか薄汚れてみえる。
と、こうちゃんと見ていたようなことを書いているけれど、途中でイビキをかいて眠っていたことが発覚した。なんと、座席ひとつあいた隣の女性から、腕を揺すられ、「イビキをかいていますよ」と注意されてしまった。「すいません」って、謝ったものの、困ったものだ。女性だって、勇気をだして注意してくれたのだろうから。
そのおかげで終盤はきちんと見た(途中寝て、きちんと見たもないもんだが)。
この映画は、映像による心象風景が多い。テーマがシンプルだから、それを補うためもあってか、映像に変化がこらされている。それがいいのか悪いのか、よくわからないけど、この日のわたしには、ちょっとうっとおしかった。