かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

轟夕起子特集で、『暢気眼鏡』と『第五列の恐怖』を見る(8月27日)。



ラピュタ阿佐ヶ谷轟夕起子の映画2本を見にいく。この映画館、むかし1度来たことがあるはずだけれど、すっかり場所を忘れていて、近くをグルグル回ってしまった。やっと探しあてたが、駐車場の奥の木々に隠れてあるので、近くまできていながら、なおわからなかったのが判明。


長い列の最後尾に並び、やっとのこと補助椅子で席を確保。もう少し映画館の発見が遅れたら、練馬から阿佐ヶ谷まで足をのばしながら、空振りになるところだった。オンラインでチケットを買うことになれてくると、直接行って並ばなければならないのは、とてもシンドイ。




『暢気眼鏡』の1シーン。


はじめは、島耕二監督の『暢気眼鏡』。原作は、尾崎一雄尾崎一雄の「芳兵衛もの」(尾崎夫人がモデル。売れない作家の奥さんが天然の明るさで、夫を鼓舞する一連の私小説的作品群)が、むかしから大好きだったので、映画化されているならぜひ見たかった。若き日の轟夕起子は、いい味で尾崎夫人を演じていた。


安いので中古の木風呂を買い込んだのはいいが、借家に風呂場のスペースがない。苦肉の策で、玄関にその大きな風呂を置く、という原作「玄関風呂」のエピソードなど、映画で再現されていた。


全編は77分なのに、残っているフィルムは29分だけ。それでも、作品のたのしさは伝わってくる。1940年(昭和15)、戦時中の作品。出征兵士が通ると、芳兵衛がいきなり万歳、万歳と手をあげて見送るシーンなどが時代を感じさせる。



山本弘之監督『第五列の恐怖』は、スパイもの。わたしには、なんだか全体のストーリーがつかめなかったが、日本をスパイしていた女(轟夕起子)が、自分の祖国は日本なのだ、と知って改心する、というような話。映画としては、おもしろくなかった。