かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ホームズ『緋色の研究』と、映画『月と雷』と、立憲民主党枝野氏の街頭演説(10月21日)。

10月21日、土曜日。テアトル新宿へ、安藤尋(あんどう・ひろし)監督の『月と雷』を見にいく。


早く着いたので、映画館の向かい側の喫茶店ルノアール」で、コナン・ドイルのホームズもの第一回作品、『緋色の研究』(電子書籍)を読む。小学生のころ、少年用に書き直された『緋色の研究』を読んで、すっかりホームズのファンに。それから、ホームズ・シリーズの文庫本を次々読んだ懐かしい記憶がよみがえる。この『緋色の研究』で、シャーロック・ホームズとワトスン博士は、運命的な出会いを果たすのだ。




10時50分から、安藤尋監督『月と雷』を見る。


直木賞作家・角田光代の同名小説を「海を感じる時」の安藤尋監督のメガホンで映画化。


子どもの頃に母が家出したため、普通の家庭を知らぬまま大人になった泰子。スーパーのレジ打ちの仕事をしながら、家と仕事場を往復する毎日を過ごしていた。婚約者もでき、亡くなった父が残してくれた持ち家で暮らす日々は、大きな喜びこそないが小さな不幸もない、穏やかな生活だ。泰子のそんな静かな日々が、父の愛人の息子・智が現れたことで、大きく揺らいでいく。


泰子役を初音映莉子、智役を高良健吾、智の母親で泰子の父親の愛人だった直子役を草刈民代がそれぞれ演じる。


(「映画.com」より)
http://eiga.com/movie/86681/


好きな小品。


主人公泰子(初音映莉子)の現在と過去。


いっしょに暮らしていた母が家出し、その母を家出させる原因になった愛人とその息子の智(さとる)も、突然、泰子の生活からいなくなる。ひとり残った父も病気で死んでしまう。家に残された泰子のさびしさ、喪失感が、声高くなく、描かれる。


仕事と家を自転車で行き来しながら、みんなが去った家のなか、ひとりぼっちでくらす現在の泰子。しかし、そこへ、突然おとなになった智(高良健吾)があらわれる。やがて、父の愛人で、突然いなくなった直子(草刈民代)も、やってくる。



愛人の息子で、小さな頃いっしょに遊んだ智(高良健吾)が、泰子を訪ねてくる。



泰子は、田舎道を自転車で、職場と家を行き来する。



自転車のふたり乗りする泰子と智。


初音映莉子も、高良健吾もいいが、風来坊のように、男の家へ棲みつき、しばらくすると、突然どこかへいなくなってしまう草刈民代が印象的。周防正行監督『Shall we ダンス?』(1996年)で美しかった草刈民代が、老けた中年女性を演じている。美しさを抑制して、女優としての魅力を発揮している。



直子をみると、男は自分の家へとどめたくなる。



高良健吾は、草刈民代の息子役。


『月と雷』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=izOhuzTEUMI



小雨がずっと降っている。川越から埼京線にのって、午後7時30分からの立憲民主党枝野幸男氏の街頭演説を、大宮駅東口へ聴きにいく。


明日10月22日、選挙の投票日。枝野氏の最後の演説を見ようとおもって、たくさんの聴衆のなかに並ぶ。Youtubeの映像で、その熱気を見てきたが、自分で実際の光景と熱気を体験してみたかった。雨のなか、大宮駅は、枝野氏を囲んで人垣があふれ、枝野氏がひとこと何かいうたびに、同感の拍手や声が起こる。「えだの、えだの」の合唱は、ロック・コンサートのなかにいるよう。ほんとうに、この熱気が、安倍政権の崩壊へつながるよう願うばかり。


演説がおわった午後8時、川越へとんぼ帰りする。