かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

最近見た映画2本、『巫女っちゃっけん。』と『スリー・ビルボード』。

グ・スーヨン監督『巫女っちゃけん。』を見る(2月13日)。



2月13日、火曜日。イオン板橋で9時55分から、グ・スーヨン監督、広瀬アリス主演の『巫女っちゃけん。』を見る。

広瀬アリスが、未来に夢も希望も抱けずに巫女のバイトを続けている主人公を演じた主演作。


幼い頃に母親が家を出て行ったことが原因で何かと父に反発し、悪態ばかりついているしわすは、父が宮司をしている神社で巫女のバイトをしながら就職活動をしていた。就職が決まれば巫女は辞めえるつもりだが、かといって他にやりたいことや夢があるわけでもない。そんなある日、夜中の境内を見回りしていたしわすは、社殿に隠れていた5歳の少年・健太を見つける。健太は一切口をきかず、しわすが世話を見ることになるが、数日後に母親が迎えにくる。安心したのもつかの間、殴られてあざをつくった健太が再び神社に戻ってきて……。


(「映画.com」より)
http://eiga.com/movie/87772/


予告編を見ておもしろそうだったので、見にいく。大声で怒鳴ったり、激しいセリフを吐いたり、激情を露出するような予告編をみると、それだけでもういやになるけれど、こういう軽妙なタッチの作品は、さわりを見せられると、見たくなる。


広瀬アリスは、広瀬すずのお姉さんということ以外ほとんど見たことがなかったけれど、巫女さん役がぴたりハマっておもしろかった。



広瀬アリスの巫女さん姿が、美しい。


巫女さんって、なにげなく神社で見かけているけれど、どんな仕事をしているのか、勝手な想像でしか知らない。その実際の仕事の様子が見られるのも、たのしかった。


わたしは、儀式というのが学校でやらされた「起立・礼・着席」や朝礼、運動会の行進など、どれも大嫌いだったけれど、映画でみる巫女さんの儀式は、美しい踊りをみているようで、いいなあ、とおもった。


映画そのものも、たのしかった。


『巫女っちゃっけん。』予告編↓
https://www.youtube.com/watch?v=whBG48urvgQ




シネ・リーブル池袋で、『スリー・ビルボード』を見る(2月15日)。


2月15日、木曜日。シネ・リーブル池袋で、11時15分から、マーティン・マクドナー監督、フランシス・マクドーマンド主演の『スリー・ビルボード』を見る。


2017年・第74回ベネチア国際映画祭脚本賞、同年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞するなど各国で高い評価を獲得したドラマ。


ミズーリ州の片田舎の町で、何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民とミルドレッドの間には埋まらない溝が生まれ、いさかいが絶えなくなる。そして事態は思わぬ方向へと転がっていく。


(「映画.com」より)
http://eiga.com/movie/87781/


ビルボード」というと、音楽好きでは、アメリカのヒット・チャートを思い浮かべてしまうけど、「goo辞書」で検索したら、野外の大型看板のこと。


娘を殺されたミルドレッドは、犯人をとらえられない警察への怒りを、道路から見える3枚の巨大看板に掲げて、通行する車に訴える。この気性の激しい母と警察との対決ドラマなのか、とおもうと、そんな単純にものがたりは進まない。


次々話がちがう方向に進展して、ラストまで先が読めない。自分の予想が裏切られることの快感を、この映画は味あわせてくる。「ベネチア国際映画祭」で、脚本賞を受賞した、というのも、なっとくできる。


激烈な母・ミルドレットを演じたフランシス・マクドーマンドの怪演が強烈。自分の行動を妨げるものには、容赦しない。しかし、ヒーローでも悪役でもない。この異様な人物に、フランシス・マクドーマンドは、リアルな形で、生命を吹きこんだ。



フランシス・マクドーマンドの迫力が凄い!


映画のたのしさを存分に味あわせてくれる傑作娯楽サスペンス作品。


スリー・ビルボード』予告編↓
https://www.youtube.com/watch?v=uKzmKRELmJI