5月7日、月曜日。川越からアパートのある東武練馬へきて、駅前にできた喫茶店「コメダ」で、モーニングを食べながら、野口冨士男著『わが荷風』(岩波現代文庫)を読みはじめる。
- 作者: 野口冨士男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/03/17
- メディア: 文庫
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荷風の生い立ち・作品を紹介しながら、著者自身の精神風景にも触れていて、これから読むのがたのしみな本。
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11時45分から「イオン板橋」で、ジョージ・クルーニー監督の『サバービコン 仮面を被った街』を見る。
1950年代に実際に起きた人種差別暴動をモチーフに、アメリカンドリームを絵に描いたような町サバービコンで巻き起こる奇妙な事件をサスペンスタッチに描いたドラマ。脚本をクルーニーとジョエル&イーサン・コーエン兄弟が共同で手がけ、クルーニーと親交の深いマット・デイモンが主演を務めた。
(「映画.com」から)
http://eiga.com/movie/86926/
絵に描いたような幸せな街、誰もが住んでみたくなる街。その奥にある「裏の顔」が暴かれていくサスペンス映画。どういう展開になるのか読めなくて、おもしろく見る。主演のマット・デイモンとジュリアン・ムーアが、気持ち悪い男と女を演じている。
出演作品は見ていないのに、予告編などでマット・デイモンを体格のいいアクション・スターのように思いこんでいたけれど、この映画の彼は、もっと内面的に気持ち悪い男を演じている。ジュリアン・ムーアのそらぞらしい笑顔も、サスペンスをもりあげる。
この男と女の裏の顔を見てしまうのは、マット・デイモンの息子・ニッキーで、少年の目を通して、ドラマは描かれていく。
怖い作品であるけれど、どこかユーモラスなシーンがあるのは、脚本にコーエン兄弟が参加しているせいだろうか?
理想的な街・サバービコンに黒人一家が引っ越してくることによって、街のひとたちに動揺が起こる。彼らは、黒人一家を差別・嫌悪し、家の周囲に塀をもうけ隔離(トランプ大統領がメキシコとの間に塀を作る、といった風刺のようにもみえる)、エスカレエートすると、街ぐるみ暴動化する。
ロッジ一家(マット・デイモンと息子の家)の事件と、街じゅうの黒人差別による暴動とが、この街がかかえている闇として描かれているが、このふたつにつながりがないのがものたりない。
「理想的な街」は、黒人への差別精神を丸出しにするが、マット・デイモン演じるロッジ一家の出来事は、あくまで個人的な悪事。この街がかかえる闇とは直接的な関係がないのでは。
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帰り、「日高屋」で、ホッピーを飲みながら、遅い昼飯。アパートへ帰る。