かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

フランスのコメディ映画『セラヴィ』を見る。

f:id:beatle001:20180719111905j:plain


7月17日、火曜日。3連休のあと、川越駅まで妻に送ってもらい、東上線→山手線で、渋谷へ出る。きょうは「渋谷シネクイント」で、エリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュ監督・脚本の『セラヴィ』を見る予定。


早く着いたので、近くの喫茶店で辻田真佐憲著『空気の検閲ー大日本帝国表現規制』(電子書籍)を読む。


空気の検閲 大日本帝国の表現規制 (光文社新書)

空気の検閲 大日本帝国の表現規制 (光文社新書)



辻田真佐憲氏の本は、以前『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造』(電子書籍)を読んだことがあって、今回2冊目。戦前から戦中の歴史に詳しく、『大本営』は、改竄・隠蔽・捏造がどのように戦前・戦中にすすんでいったか詳細に語られていた。




『空気の検閲』は、同じく戦前・戦中の「検閲」の変遷。当時の新聞社・出版社は、発行・発刊の禁止を避けるために、検閲官や政府を忖度し、事前に検閲官に原稿をみせて相談するようにしていた。しかし、戦争が切迫してくると、政府の検閲官がパスをさせても、軍部から突然検閲がはいって発刊禁止になるようなケースもふえてくる。エロ・グロの検閲、政治的取り締まりの検閲など、具体例をあげて、詳しく解説している。



12時30分より、「渋谷シネクイント」へ移動し、『セラヴィ』を見る。この映画館、スクリーンを1つから2つにふやす改築をしていたらしく、復活後まもないせいか館内の客はまばら。2階席で見たが、2階には、他のお客さんがいなかった。



映画『セラヴィ!』予告編


ウェディングプランナーとして30年間、数え切れないほどの結婚式をプロデュースしてきたマックスは、そろそろ引退を考えていた。


そんなある日、17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込んだ。いつも通り式を成功させようと、完璧な準備を整えたのだが、なんと集まったスタッフたちが全員ポンコツ!!


バンドのボーカルは新郎の希望と真逆の歌を熱唱しワンマンショー気取り、カメラマンは写真撮影よりもつまみ食い、ウェイターは新婦にうつつを抜かし、おしゃべりに夢中…。マックスの努力も虚しく、次第に式は大惨事と化す…。


前途多難すぎる結婚式、果たして、チーム一丸となって成功させることはできるのか!?


映画の公式サイトより
http://cestlavie-movie.jp


ひとことでいえば、大勢のひとが結婚式に集まって、そこで起こるドタバタ喜劇。


結婚式を仕切るウエディング・プランナー・マックス(この映画の主人公)の用意周到な計画は、ハプニングの連続で無惨にも崩壊してしまう。


ドタバタ劇は感覚があわないと、シラけてしまうことも多いけれど、この映画はおもしろかった。笑いどころ満載。


新郎のピエールがいい。このひと謙虚を装っているが、じつは自己顕示欲が激しい。新郎のスピーチも遠慮していながら、話し出すと3時間に及んで、結婚式を仕切るスタッフと参加者を当惑させる。さらには、式の最後にあまりこの祝典には関係ないような「大技」の自己アピールのショーを用意していて、トラブルが勃発する。これが映画のクライマックスになっているので、ぜひご自分の目で確かめてほしい。


f:id:beatle001:20180719113301j:plain
もちろん、この左側のひとが新郎。トラベル・メイカーのひとり(笑)。


祝宴というか、祝典というか、お祭りのような賑やかさで、個性的な出演者があとからあとから笑わせてくれる。このセンス、フランスならではのものかもしれない。存分に楽しんで映画館を出る。



帰りは、暑いのでなるたけ歩きたくない。センター街の「磯丸水産」まで歩いて、ホッピーとまぐろ丼で昼飯をすませ、東武練馬のアパートへ帰る。