かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

紀伊国屋ホールへ、「松元ヒロ ひとり立ち」を見にいく。

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9月29日、土曜日。雨。


妻をともない、紀伊国屋ホールへ、松元ヒロの「松元ヒロ ひとり立ち」を見にいく。


15時開演。朝からずっと雨が降っている。沖縄に台風が近づいていた。沖縄知事選への影響が気になる。当日台風が吹きあれたら、玉城デニー氏は、自民・公明の組織選挙に、してやられるのではないか(幸いに、これはあとになって杞憂におわった)と、心配だった。



松元ヒロは、知る人ぞ知る辛口の政治ネタをやる芸人。ネタがキツイので、テレビにほとんど出られない。それでも、独演会は、予約をとるのが大変なほど、ひとが集まるという。


この日もギッシリ満員。わたしはライヴで見るのはじめてだけれど、YouTubeでステージのダイジェスト版や、インターネット番組で、憲法学者小林節氏との対談など見たことがあって、この日をたのしみにしていた。


代表作は、「憲法くん」。「日本国憲法」に松元ヒロがなりかわって、自分への扱いがいま変わっていこうとしている不安を、ひとり語りする。YouTubeで見ても迫力がある。そして、「憲法くん」は、最近になって絵本になった。


孫たちがもっと大きくなったら読んでもらいたい、とおもって買ったが、わたし以外は誰も読まないまま、家のどこかで棚ざらしになっているのが無念(笑)。


憲法くん

憲法くん




松元ヒロさん「憲法くん」ダイジェスト




1時間50分のステージだという。ひとりで2時間も何を語るのだろう?


それにしても、迫力のある「ひとり語り」だった。現在の政治状況などを、笑わせながら痛烈に批判する。そのたびに、観客から大きな拍手が起こる。予想していた以上に力強く、観客をそらせない。


最初に安倍晋三麻生太郎などが容赦なくやり玉にあげられる。しかし、きちんと笑いのなかに整理されている。


灰谷健次郎(児童文学の作家、わたしはこのひとの作品を愛読した)、永六輔井上ひさし立川談志など、彼の接触あったひと、松元ヒロを支援・応援してくれたひととの思い出話がある。これも、ものまねをやりながらでおもしろい。


特攻隊で9度出撃して、そのたび生きてもどった佐々木友次氏についての話は、感動した。


日本軍というのは、死してこそ英霊だ軍神だと持ち上げる。


特攻から生きてもどった佐々木友次氏は、「貴様はなんで生きてもどった。早く出撃して死んでこい」と上官に激怒されながらも、「爆弾を敵に投下して、生きて帰って、また出かけて敵に爆弾を投下して、生きてもどります」と、反抗。9回出撃して生き残った、という話。


本になっているというので、帰りロビーで購入する。





帰り、辛いインド・カリーが食べたくなって「新宿中村屋」へ寄ってみたが、並び待ちしていたのでやめる。そのまま電車で川越へ帰り、クルマで家の近くの焼肉屋にはいって、ホッピーを飲む。