9月29日、土曜日。雨。
妻をともない、紀伊国屋ホールへ、松元ヒロの「松元ヒロ ひとり立ち」を見にいく。
15時開演。朝からずっと雨が降っている。沖縄に台風が近づいていた。沖縄知事選への影響が気になる。当日台風が吹きあれたら、玉城デニー氏は、自民・公明の組織選挙に、してやられるのではないか(幸いに、これはあとになって杞憂におわった)と、心配だった。
★
松元ヒロは、知る人ぞ知る辛口の政治ネタをやる芸人。ネタがキツイので、テレビにほとんど出られない。それでも、独演会は、予約をとるのが大変なほど、ひとが集まるという。
この日もギッシリ満員。わたしはライヴで見るのはじめてだけれど、YouTubeでステージのダイジェスト版や、インターネット番組で、憲法学者の小林節氏との対談など見たことがあって、この日をたのしみにしていた。
代表作は、「憲法くん」。「日本国憲法」に松元ヒロがなりかわって、自分への扱いがいま変わっていこうとしている不安を、ひとり語りする。YouTubeで見ても迫力がある。そして、「憲法くん」は、最近になって絵本になった。
孫たちがもっと大きくなったら読んでもらいたい、とおもって買ったが、わたし以外は誰も読まないまま、家のどこかで棚ざらしになっているのが無念(笑)。
- 作者: 松元ヒロ,武田美穂
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
★
1時間50分のステージだという。ひとりで2時間も何を語るのだろう?
それにしても、迫力のある「ひとり語り」だった。現在の政治状況などを、笑わせながら痛烈に批判する。そのたびに、観客から大きな拍手が起こる。予想していた以上に力強く、観客をそらせない。
最初に安倍晋三、麻生太郎などが容赦なくやり玉にあげられる。しかし、きちんと笑いのなかに整理されている。
灰谷健次郎(児童文学の作家、わたしはこのひとの作品を愛読した)、永六輔、井上ひさし、立川談志など、彼の接触あったひと、松元ヒロを支援・応援してくれたひととの思い出話がある。これも、ものまねをやりながらでおもしろい。
特攻隊で9度出撃して、そのたび生きてもどった佐々木友次氏についての話は、感動した。
日本軍というのは、死してこそ英霊だ軍神だと持ち上げる。
特攻から生きてもどった佐々木友次氏は、「貴様はなんで生きてもどった。早く出撃して死んでこい」と上官に激怒されながらも、「爆弾を敵に投下して、生きて帰って、また出かけて敵に爆弾を投下して、生きてもどります」と、反抗。9回出撃して生き残った、という話。
本になっているというので、帰りロビーで購入する。
不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)
- 作者: 鴻上尚史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/11/15
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (16件) を見る
★
帰り、辛いインド・カリーが食べたくなって「新宿中村屋」へ寄ってみたが、並び待ちしていたのでやめる。そのまま電車で川越へ帰り、クルマで家の近くの焼肉屋にはいって、ホッピーを飲む。