かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

里見とんの小説

里見とんは、作品のなかで「素人間」という言葉をつかいます。言い換えれば、「まっさらな人間」ということです。人種や財産や地位や学歴、そういうものでなくて、「ひとりの人間」として、人間がどれだけのものか、そういう「素」の人間(モデルは、里見自…

岩川隆著「どうしようもない私---わが山頭火伝」

○どうしようもないわたしが歩いている 先日ご紹介した大山澄太著「俳人山頭火の生涯」は、旅と行乞(ぎょうこつ)に生き、独自の句境に達した山頭火の生涯を、敬愛をこめて描いていました。しかし本著は、行乞をする禅僧といっても、実体はただの乞食坊主で…

「ぼくも征くのだけれど……」〜竹内浩三の学生時代

●これは、2005年12月19日の続きです。 ■「金がきたら」 金がきたら 竹内浩三 金がきたら ゲタを買おう そう人のゲタばかり かりてはいられまい 金がきたら 花ビンを買おう 部屋のソウジもして 気持ちよくしよう 金がきたら ヤカンを買おう いくらお茶があっ…

23歳で戦死した竹内浩三を読む〜その1

■稲泉連著「ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死」ぼくが、竹内浩三のことを知ったのは最近です。稲泉連(いないずみ・れん)氏の「ぼくもいくさに征くのだけれど」 を読んで、知りました。稲泉連氏は、まだ20歳代のノンフィクション・ライターで…

大山澄太著「俳人山頭火の生涯」を読む〜その2

○これは、12月4日にアップしたものの続きです。 ■味取(あじとり)観音堂を去る山頭火が行乞の旅に出る前に、もう少しこの味取観音堂での、山頭火らしいエピソードを、大山澄太氏の著書から引用させてください。彼の人柄が鮮やかに浮かび上がる部分です。な…

大山澄太「俳人山頭火の生涯」を読む〜その1

■山頭火についてこれは、自分のための「種田山頭火」のメモです。これから、何冊か山頭火の本を読んでみようとおもっていますが、その読書メモをブログに残しておきます。自分自身の便宜や都合ですみません。1度では、もちろん彼のことをメモしきれませんの…