日本映画
『純喫茶磯辺』の監督作品なので、ある程度期待して見にいく。35度以上の炎天下を池袋まで出るのだから、生半可の気持ちでは見にいけない(笑)。 チケットを買って、まだ時間があったので、少し池袋の町を歩いた。適当なコーヒーのお店があれば、涼しいとこ…
シリーズ10作目。マドンナは、八千草薫。48作つくられたなかで、10作目だから、いまから見れば、まだ初期の作品といっていい。 八千草薫演じる美容師は、寅さんのむかしの同級生。同級生の気楽さから、二人のあいだに親しさが復活するが、それがいつものとお…
テレビシリーズの再放送を見てから、このシリーズのファンになった。映画化になってからも、劇場で見ている。 でも、映画化はどれもおお味で、テレビで見たときの新鮮さはない。お金をかけただけ、ドラマとしてのリアリズムが希薄になってしまっている。 第3…
寅さんシリーズ40作目。全48作のなかで、シリーズとしては終盤に近くなっているけれど、寅さんはまだまだ元気だ。 満男は、大学の受験生。マドンナは、三田佳子で、女医さんを演じている。 寅さんは、小諸を旅して、この女医さんと知り合う。 ★ 小諸といえば…
まず最近読んだ原作がおもしろかった。 小説じたいがおもしろく完結している。 だから、映画化はむずかしいような気がしてしまうのだが・・・監督が『下妻物語』の中島哲也であるとすれば、話は別だろう。 この監督が、原作をただリアリズムでなぞるような映…
『THE JUON/呪怨』などの大城英司が自身の経験を基に企画、製作、脚本、主演を務めた人間ドラマ。若くはない男女が恋に落ち、お互いの家庭を捨てて2人と猫1匹が同居生活を送る日常の風景を優しく映し出す。酒とタバコが必須アイテムの働く大人の女性を演じる…
山田洋次監督の寅さんシリーズ『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(1983年)を見直した。 旅先で寅さんが知り合ったのは、演歌のスター・京はるみ(都はるみ)。寅さんはまもなく、出会った女性がステージを抜け出してきた、演歌のトップ・スターだと知るが、…
出演小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮・・・となると、『かもめ食堂』や『めがね』の、ゆったり系路線だろうか、と自然おもってしまうけれど、見ると、やっぱりそのとおりで(笑)、ただし、監督はちがっている。 舞台がタイになっているけれど、それがどこか…
つげ義春、辰巳ヨシヒロ、永島慎二・・・この3人のマンガ家を愛読していたころがある。 DVDの箱の説明を読んだら、これは永島慎二の、愛読した作品の映画化ではないか、とわかり、迷わず借りてみた。 ★ 阿佐ヶ谷の風呂なし木造<6畳>アパート(原作では、3…
4月29日、極貧荘の近くからバスに乗り、赤羽へ。立呑み「いこい」で飲む。帰りは、電車で池袋へ出る。 「新文芸座」をのぞいてみると、「増村保造と若尾文子」の2本立てをやっていた。 夜から仕事なので、少し眠っておきかった。見ていて眠くなったら、その…
戦いの際、刀が折れてしまい命を落とした恩師。恩師の娘に父の仇を討つため名刀を作ってほしいと頼まれるが、自分が献じた刀のせいで恩師が殺されたのも同然と思う刀鍛冶は名刀を作る自信がなかった。しかし、娘に励まされ名刀作りに打ち込んでいく…。 (「g…
tougyouさんのこちらのブログを読んだのが、原作の小説を読むきっかけになりました。 父の「仇討ち」ができないほど、武道のダメな武士が、「仇討ち」などどうでもよくなり、新たに自分の生きる幸せを発見していく、というような物語ですが、映画同様、小説…
金融業の社長が急死したために、本妻と妾と小姑が同居生活することになり、身寄りのない“三婆”の欲の皮のつっぱった奇妙な三角関係が展開される。原作は有吉佐和子の同名小説の映画化。 (「goo映画」より) 本妻と妾と小姑が、互いに確執を繰り返す様を、ユ…
麻生久美子が出演しているので見ました。 子どもがそのまま大人になったような純真な青年(松山ケンイチ)が、失恋の傷を負ったまま東京から青森にやってきた女性にひと目惚れしてしまう、というようなストーリーでした。 ぼくの好みにあわないな、とおもっ…
『朝の並木路』は、「あしたのなみきみち」と読む。 ★ 「カフェの女給」の世界は、成瀬巳喜男監督の得意な素材ともおもえるが、後年の成瀬作品のような厳しさはない。 カフェのおかみさんも、友人も、主人公に終始やさしく、お金にシビアな側面はみせない。 …
tougyouさんもjinkan_mizuhoさんもおもしろい、という感想を書かれていたので楽しみに見ました。主役の岡田准一、麻生久美子がよかったです。麻生久美子は、映画を見るたびに「いいなあ」と感じています。 ただ脇役の二人は、もう一歩でした。岡田准一の家へ…
雑誌「一個人」の特集が、「生誕100年、黒澤明全30作品を完全鑑賞」。 95%が黒澤明の特集なので買う。新しく知るようなことはなかったが、豊富な写真とともに、黒澤明の数々の名画の解説を読んでいると、強烈に刺激されて、もう一度全作品を見直してみたい…
この映画で、三木聡(みき・さとし)監督の映画を見るのは、4本目。『インスタント沼』、『転々』はおもしろく、『図鑑に載っていない虫』は、笑いがえげつなくて、最後まで見れませんでした。 で、今回見た『亀は意外と・・・』ですけど、おもしろかったで…
『インスタント沼』が、予期せぬ収穫だったので、久しぶり監督そのひとに興味をもつ。『転々』も、三木聡監督の作品。 三浦友和とオダギリ・ジョーが冴えないいでたちで、井の頭公園から霞ヶ関まで歩く、という、「えっ、それで映画になるのですか、しかし」…
くたびれかかったラブホテルを経営している艶子。ホテルの屋上には、小さな公園があり、町の人々に解放していた。とっつきにくく、無愛想な艶子であるが、公園はいつも老人や子供たちで賑わい、夕暮れ時に子供たちを家に帰すのに一苦労するほどだった。その…
おもしろかったです。2009年の作品賞が、『ディア・ドクター』とこの作品で争ってもよかったのでは。そうおもいました。 しかし、むかしから、コメディは、賞には不利なんですよね。 教訓は何もありませんが(それが爽やかです)、ドタバタでない、このくすぐ…
昭和19年の作品。登場人物のセリフには、戦時下らしい勇ましい言葉が出てくるが、映画全体はのんびりしていて、「戦意高揚」の色合いは少ない。 映画のあらすじは、出兵している友人(江川宇礼雄 )に代わって、婚約の話を進めるため、相手の女性の家を訪問…
山田洋次監督は寅さんの映画を「愚兄賢妹」の話、と何かでいってたけど、この映画『おとうと』は、「愚弟賢姉」の話。 どうしようもない弟に手を焼く吉永小百合の姿は、やっぱり、弟と兄の違いはあれど、寅さんに手を焼く、妹のさくら(倍賞千恵子)を思い浮…
『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪(しっそう)をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇…
その家の父(森雅之)は、画家ではなく実業家として成功する。しかし、妻は気位ばかり高くなり、息子は財力にまかせて女から女へ、気ままに放蕩を続ける。唯一父の心に近いのは、病気が原因で頭が弱く、世間から隠れて家で暮す末娘だけ・・・。 エゴイスティ…
見始めたら、一気に惹きこまれてしまった。力強く緊密なストーリー展開で、ぐいぐい観客をひっぱっていく。傑作とはこういう作品のことかな、とおもう。 見る前は、テーマが社会派的でもあり、そういう大上段のものはあまり好きでないので、見るのをしぶって…
この映画は、これから見るひとのために、内容はあまり話さないほうがいいようです。 豊川悦司と薬師丸ひろ子がすばらしく、新鮮な感覚を味わえました。二人とも、うまい役者ですね。 脇役の石橋蓮司も、いい味を出していました。もし、この作品が高い評価を…
テレビ版で、<さくら>をやっていた長山藍子がマドンナ。テレビ版の<博>をやっていた井川比佐志が、その恋人役。テレビ版で<おばちゃん>をやっていた杉山とく子が、長山藍子の母。 仲間のテキ屋が死を迎えようとしている。その息子に知らせたが、機関車…
[rakuten:book:12733232:image] 被爆体験を、静かに描いた映画で、いい作品でした。以前、jinkan_mizuhoさんが、こちらのブログで書かれているのを見て、ずっと見たいとおもっていましたが、やっと見ることができました。 広島で原爆を体験した世代と、また…
5人の監督が女性をテーマにして描いたオムニバス映画『female』の一編。 ★ 小学生の男の子が強く惹かれるのは、同級生の仲良しの女の子ではなく、その子の母(大塚寧々)である、という設定がまずおもしろい。 家に行き、仲良しの女の子に勉強を教えていても…