かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

読む

伊藤真著『憲法の力』(集英社新書)

憲法の力 (集英社新書)作者: 伊藤真出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/07/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (12件) を見る 法律が国民の自由を制限するものであるのに対して、憲法は国家権力側を制限して国民の人権を守る…

伊藤真著『中高校生のための憲法教室』

中高生のための憲法教室 (岩波ジュニア新書)作者: 伊藤真出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/01/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見る 「法律は国民を縛るためのもの」だが、「憲法は国家権力に歯止めをかけるもの…

川上弘美著『古道具屋 中野商店』

古道具 中野商店作者: 川上弘美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (223件) を見る 中央線沿線の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。店主はダメ男感漂う中野さん。きりっと…

川本三郎さんの本を読む!

あのエッセイこの随筆作者:川本 三郎メディア: 単行本 『あのエッセイ この随筆』の「あとがき」に、著者のこんな言葉がある。 随筆は、いわば日向ぼっこや、散歩のようなものである。無為の時間のなかに心を遊ばせる。日々の暮しのなかに、日だまりのような…

ジョナサン・スウィフト作『ガリヴァー旅行記』〜「馬の国」(1727年)

ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)作者: スウィフト,中野好夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/08/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (34件) を見る 『ガリヴァー旅行記』の第4編「馬の国」では、ヤフーという醜悪な家畜が登場する…

松村雄策著『ウィズ・ザ・ビートルズ』

ウィズ・ザ・ビートルズ作者: 松村雄策出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (10件) を見る 松村さんの文章を読んでいると、むかしの「文は人なり」という言葉を思い出す。 意味は、<文章…

中山康樹著『さよならビートルズ 洋楽ポップスの50年は何だったのか』

さよならビートルズ (双葉新書)作者: 中山康樹出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2012/07/04メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る ビートルズの上陸は、日本における洋楽文化の始まりだった。我々は競うように洋楽を聴き、ラジオ音…

小出裕章著『騙されたあなたにも責任がある 脱原発の真実』

騙されたあなたにも責任がある 脱原発の真実作者: 小出裕章出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/04/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 283回この商品を含むブログ (8件) を見る 私の提案はただひとつです。「自己責任を果たそう」ということです。この…

ねじめ正一『長嶋少年』

長嶋少年作者: ねじめ正一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/03メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 団塊の世代といわれる昭和20年代くらいのわたしたちは、広い公園や満足な運動場がなかったので、空き地や田んぼで、野球のまねごとをやりまし…

ねじめ正一『長嶋少年』

長嶋少年作者: ねじめ正一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/03/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログを見る 昭和20年代生まれのわたしたちは、広い公園や満足な運動場がなかったので、空き地や田んぼで、野球のまねごとをやりました…

樋口毅宏著『さらば雑司ヶ谷』

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)作者: 樋口毅宏出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/01/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 22回この商品を含むブログ (42件) を見る ホウ・シャオシェン監督『珈琲時光』の主人公、フリーライターの陽子(一青窈)が住んでいる…

藤沢周平『一茶』

新装版 一茶 (文春文庫)作者: 藤沢周平出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/04/10メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (9件) を見る 藤沢周平は、好きな作家のひとり。平明な文章なのに、味わい深く、描く女性の魅力的なことといったら、格…

奥田英朗著『オリンピックの身代金』

オリンピックの身代金(上) (角川文庫)作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/09/23メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (4件) を見る 田舎の中学生だったわたしは、1964年というと、オ…

沢村貞子著『私の浅草』

私の浅草 (新潮文庫)作者: 沢村貞子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1987/11メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (3件) を見る 上野の古本屋を見ていて、この本を見つけた。俳優の沢村貞子さんが、こんなすばらしいエッセイを書いていたなんて、お…

高峰秀子・松山善三・斎藤明美著『高峰秀子 暮しの流儀』

高峰秀子 暮しの流儀 (とんぼの本)作者: 高峰秀子,齋藤明美,松山善三出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/01/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (17件) を見る 家族3人の共著*1。 高峰秀子のエッセイ、高峰夫妻の日常風景、…

鈴木智彦著『ヤクザと原発 福島第一潜入記』

ヤクザと原発 福島第一潜入記作者: 鈴木智彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/12/15メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 947回この商品を含むブログ (308件) を見る 著者みずからが作業員として福島第一原発で働いた体験のルポ。 主にふたつのテーマ…

藤沢周平『海鳴り上・下』

海鳴り (上) (文春文庫)作者: 藤沢周平出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1987/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (18件) を見る NHKの「ラジオ深夜便」の朗読がよくて、しかし毎回は聞くことができないので、本を読んでみた。 ★…

吉田修一著『静かな爆弾』

静かな爆弾 (中公文庫)作者: 吉田修一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/03/23メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 吉田修一の小説の魅力のひとつは、作品の舞台が具体的・明確に描かれること。 『静かな爆弾』では、外…

吉田修一著『さよなら渓谷』

さよなら渓谷 (新潮文庫)作者: 吉田修一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/11/01メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (37件) を見る 野球部の集団暴行が起こった。 ・・・それから15年後、その加害者のひとりと、被害者の女性が、あるひっ…

前之園明良著『荷風と歩く 東京いまむかし』

荷風と歩く東京いまむかし作者: 前之園明良出版社/メーカー: 有楽出版社発売日: 2011/10/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 著者の読み方は、「まえのその・あきよし」。 永井荷風は、江戸の風景の名残を求めて、変貌する東京を歩いたけれど、わ…

川本三郎著『銀幕の銀座〜懐かしの風景とスターたち』

銀幕の銀座 - 懐かしの風景とスターたち (中公新書)作者: 川本三郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/10/25メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る 戦前から戦中、戦後まで、これほどおおくの映画で銀座が描かれているとは、びっくりです…

近藤富枝監修『荷風流 東京ひとり歩き』

荷風流 東京ひとり歩き (楽学ブックス―文学歴史)作者: 近藤富枝出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング発売日: 2008/10/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る 東京の下町を散歩していると、いつかその先達…

川本三郎著『我もまた渚を枕 東京近郊ひとり旅』

我もまた渚を枕 (ちくま文庫)作者: 川本三郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/07/08メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 8回この商品を含むブログ (4件) を見る 東京近郊をひとりで旅する。 観光地ではなく、ふつうにひとが暮らしているいる町をぶらぶ…

宮沢章夫作『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』

ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集作者: 宮沢章夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る これは、ボブ・ディランの実際にあるベスト・アルバムのタイトルだけど、それをそのまま使うことって…

斎藤明美著『高峰秀子との仕事(2) 忘れられないインタビュー』

高峰秀子との仕事〈2〉忘れられないインタビュー作者: 斎藤明美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/04/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (10件) を見る 成瀬巳喜男生誕100年であった2005年、いろいろな成瀬巳喜男作品を見た。はじめ…

斎藤明美著『高峰秀子との仕事(1) 初めての原稿依頼』

高峰秀子との仕事〈1〉初めての原稿依頼作者: 斎藤明美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/04/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (10件) を見る 斎藤明美さんの本は、おもしろい。これで読むのは3冊目だけど、どれも読みだすと惹きこ…

『暗夜行路』に登場する牛の迫力

寒い夜、友だちを送った帰り、謙作と直子はちょっと疲れて歩いているが、小説の筋とはあまり関係なく、こんな光景に出会う。 カタリコトリ冴えた音をさせながら、野菜を積んだ牛車(うしぐるま)がすれ違って行った。牛は垂れた首を大きく左右に振りながら鼻…

今村太平『志賀直哉との対話』(柳田知常著『志賀直哉の作品』から)

[rakuten:takahara:10092332:detail] 柳田知常著『志賀直哉の作品』(昭和57年1月刊)がおもしろい。この本は、何かの自論を導き出すために志賀直哉の作品を分析するのではなくて、作品を味読するのが主眼のようで、そこからムリに新たな結論を出そうとして…

三浦しをん著『木暮荘物語』

木暮荘物語作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2010/10/29メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 43回この商品を含むブログ (73件) を見る 6編の連作短編小説。構成的には、『多田便利軒番外編』と同じく、章ごとに中心人物がかわっていく。 世…

小出裕章著『原発のウソ』

原発のウソ (扶桑社新書)作者: 小出裕章出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2011/06/01メディア: 新書購入: 34人 クリック: 1,192回この商品を含むブログ (172件) を見る あらためて原発がどれだけ恐ろしいものか、具体的にわかりやすく教えてもらいました。そ…