かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

デヴィッド・マッケンジー監督作品「猟人日記」

猟人日記 [DVD]
ある日、住み込み船員の主人公ジョーユアン・マクレガー)は、若い女性の水死体を発見。ここから映画は始まります。この水死体の女性と、主人公ジョーの関係が回想されながら、同時に現在のジョーの、人妻たちとの交情が描かれていきます。

アメリカ映画にはあまりないどんよりとした重苦しい映画でした。全編が主人公ジョーの、荒涼とした心象風景を映した作品です。彼が欲望を覚える3人の人妻は、生活の苦労にやつれた、むしろ醜いといったほうがいい女性たち。セックスをする場所ですが、狭い船室や貧しいアパートでの行為はまだいい方で、路上で立ったままや、回想シーンでは、恋人と、舗装もされてない地面の上に寝ころで、裸で抱き合うシーンもあります。背中が小石で痛くないのかな、って、こちらが気になってしまうくらい(笑)。

性描写は即物的で、人妻たちは飢えたように欲望をぶっつけます。甘いエロティックなものを期待するとあてがはずれるかもしれません。

主役のユアン・マクレガーは表情を抑制し、屈折した青年の心象を繊細に演じています。見る人によって、映画の評価がわかれそうですが、ご覧になったみなさんは、いかがだったでしょうか。ぼくは面白く見ましたが【END】