3月某日。池袋の新文芸座で久しぶりに黒澤明の「七人の侍」を見てきました。20代のころに見て、日本映画にはまるキッカケになった作品です。その後この映画はビデオで何度も見ましたが、映画館で見るのはそれ以来。
4時間近い上映時間もあっという間。なんとも贅沢な映画です。これだけ、娯楽大作でありながら、大味なアクション映画とはまったくちがいます。志村喬(しむら・たかし)の人物像の厚みが凄い。6人のほかの侍は、みなこの志村演じる島田勘兵衛の人間的な魅力に惹かれて、百姓のために闘うわけですね。けど、肝心のその侍に観客が魅力を感じなければ作品は、リアリティがなくなってしまいます。でも、志村喬の島田勘兵衛にそんな心配は無用。観客までがこの侍に魅了されてしまいます。
最後の戦闘シーンはいまさら何もいうこともありません。それにしても黒澤明、凄い映画をつくったものです【END】