山下敦弘監督の作品で最初に見たのは「リアリズムの宿」でした。これは、ぼくの好きなつげ義春のマンガが原作です。見た動機も、つげ作品の映画化だからでした。
なんとも冴えない二人組の、目的もはっきりしないロード・ムービーです。情けない、シミジミと冴えない、それがいんですね、しかし(笑)。でも、この作品は衝撃を受けるというほどではありませんでした。
そして次にビデオで見たのがこの「バカの箱舟」です。超のつくダサ男(山本浩司)の登場は「リアリズムの宿」と一緒ですが、この男に最後までついていくけなげな女性(小寺智子)のキャラクターは「リアリズムの宿」にはないもの。この二人の独立起業の奮戦記ですが、見ているうちになんともいえない新鮮なおもしろさに惹きこまれました。
【評価】:★★★★★