かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

角田光代著「菊葉荘の幽霊たち」

菊葉荘の幽霊たち (ハルキ文庫)
ふしぎな小説です。生活の細部が細かく書かれているのに現実感がない。主人公の女性をはじめとして、出てくる人物がみな存在感が希薄なのだ。
そもそも非常に不自然な話だ。主人公の女性は、恋人が入居したがるアパートのアキがないので、住民の誰かを追い出そうとする。そのためにアパートに住む大学生の一人と半同棲生活をはじめる。敵状視察、つまり簡単にいえばスパイだ。これだけでも十分奇妙だ。
彼女は、恋人がありながら、大学生のセックスの要求を拒まない。女性が性に対して何を考えてるのかわからない。小説のテーマはなんだろう? これって1%の現実味もない話ではありませんか。
ではつまらないか、というと、一気に読めてしまった(笑)。読み終えても???感がいっぱい残ったままだけど。
結論として、他の人たちの感想を聞いてみたい(笑)。