かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

リンゴとジョージ、最後の共演!

ヴァーティカル・マン
7月はリンゴの誕生月間。リンゴは1940年7月18日生まれだから、今年で65歳になった。近年はコンスタントにアルバムを発表し、現在は休止しているが、オールスター・バンドのライヴ活動も順調のようだ。
ここへ来て、探検隊でも7月はリンゴに関する投稿を中心に募ったので、刺激され、家や車でもよくリンゴを聴いた。一番聴いたのは、ニュー・アルバムの『チューズ・ラヴ』だけれど、最近はリンゴの好調さを強く印象づけた『ヴァーチカル・マン』もよく聴いた。この作品は全体に曲がよく、リンゴとバンドの息もぴったりだ。

1998年発表の『ヴァーチカル・マン』で、リンゴはジョージの協力を仰いだ。「キング・オブ・ブロークンハート」という作品で、ジョージはスライド・ギターを弾いている。美しい曲だけれど、ジョージの艶やかなスライドがとりわけ印象的だ。そしてこれが、結果的にリンゴとジョージ最後の共演になってしまった。

リンゴのビートルズ加入にもっとも熱心だったのはジョージだったといわれている。ピート・ベストのファンから殴られて、目に大きな痣をこしらえた若きジョージの写真が残っている。名誉の勲章だ。ビートルズが来日したとき、ぼくは武道館で、ジョージがギターを弾きながらよくドラム・セットのリンゴを振り返るのをみた。もちろん、リズムの確認のためだろうけど、ジョージはリンゴが好きみたいで、振り向いてよく笑っていた。


リンゴ

ビートルズは、1970年に解散したが、それからもジョージは何かとリンゴをバック・アップしている。リンゴ、初のシングル・ヒット「イット・ドント・カム・イージー」は、ジョージのプロデュース作品だ。ジョージがガイド・ボーカルをとるこの曲の音源が残っている。
リンゴ・スターの最高のセールス・ヒット・アルバム『リンゴ』でも、ジョージは援護を惜しまなかった。二人が共作した「想い出のフォトグラフ」はナンバー・ワン・ヒットになった。二人の記念碑的作品といえる。

もちろん、リンゴがドラムでジョージのアルバムに参加したこともある。ジョージの80年代のヒット・アルバム『クラウド・ナイン』では、ビートルズ・サウンドをもじった「ファブ」で、いかにもビートルズ! というドラムをリンゴが叩いてみせた。ジョージが亡くなったとき、リンゴは「コンサート・フォー・ジョージ」のステージで歌う前、「ぼくはジョージを愛していた。ジョージもぼくを愛してくれた」と挨拶した。リンゴにとってジョージは、ビートルズの仲間以上の存在だったはずだ。そんな二人の最後の共演となる「キング・オブ・ブロークンハート」はとても美しい曲なのだ。