かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

エリック・クラプトンのニュー・アルバムは『バック・ホーム』

Back Home
前作『レプタイル』(2001年)より4年ぶりのアルバムが出る。『レプタイル』はぼくには、あまり印象がない。その前の『ピルグリム』は実験的な要素もあって、好きな作品だった。実際クラプトン自身も、自分のライヴで『レプタイル』のナンバーを演奏することも少なかったし。

今回ぼくにとって、もっとも注目したいのはジョージ・ハリスンの「ラヴ・カムズ・トゥー・エヴリワン」のカバーだ。ジョージの『慈愛の輝き』に収録されているこのナンバーを、クラプトンはどう演奏しているのか。ジョージのオリジナルは、名曲でありながらそれほど知られていない。しかし、ジョージらしい透明感のある素晴らしいナンバーだ。これをカバーすることじたいでも、クラプトンに注目したい。ジョージは「マイ・スイート・ロード」だけではないのだ。

と書いていると、ジョージのことばかり言及しているようだ。

最近のエリック・クラプトンの音楽は、ステージでブルース・セッションをしたり、先輩格のブルース・ミュージシャンにスポットをあてたり、ごくごく最近では伝説のクリームを復活させたり、「慈善事業」的な活動が多い。しかし、クラプトン自身の音楽に目を向けると、長らく新鮮味を欠いているように思えてならない。ブルース以外のカバーにも挑戦しているようだが、クラプトンは新しい自分の音楽を模索しているのではないか、と思う。新作『バック・ホーム』に、クラプトンの模索の成果が出ているかどうか、それをぼくは期待しているのだが‥‥。