最近発売された公式海賊盤シリーズ7『No Direction Home』というCDを聴いています。全部未発表音源なのかな、って思ったらそうでもないようです。聴いたことのある音源もたくさんありました。マーティン・スコセッシ監督の同名タイトルの映画があって、それのサントラ盤ということです。先日「ボブ・ディランの頭の中」(未見)がレイト・ショーで上映されたばかりで、今度はスコセッシ監督のドキュメンタリー映画が発表されるというのですから、ディラン・ファンにはうれしい季節の到来です。
で、公式海賊盤シリーズ7『No Direction Home』ですが、アコスティック・ギターの弾き語り(Disc1)から、60年代半ば『ブロンド・オン・ブロンド』くらいまで(Disc2)のディラン・ナンバーがDisc1=16曲、Disc2=12曲、2枚組CDに収録されています。
アコスティックの方にむしろ初めて聴く音源がありました。2枚目のロック転向後のディランには、改めて60年代ディランの勢いを感じます。ビートルズ、ボブ・ディランは、ぼくがもっとも初期に夢中になったバンドとミュージシャンでした。
ディランの長い歴史を思います。60年代、70年代、80年代、90年代、そして新世紀……彼の絶えず変遷を繰り返すアルバムの革新性はいまだ衰えません。現在ボブ・ディランは、年間100回を超えるというライヴへ執念を燃やしつづけております。ディランはいうまでもなくバリバリの現役ミュージシャンですね。そろそろ来日公演があってもよいころなのですが。
ディランの60年代の古い音源は、ぼくが彼を聴き始めたころにタイム・トリップさせてくれます。飾り気のない「風に吹かれて」、「ミスター・タンブリーマン」、「戦争の親玉」。彼のしわがれた声と、シンプルにアコスティック・ギターを刻むだけのギター、高校生のぼくはボブ・ディランに夢中になりました。アルバム『No Direction Home』は、新鮮な音源ばかりというわけでは、ぼくにとってありませんでしたが、そんなわけで今ボブ・ディランを聴いています。
そして、以前に図書館へリクエストしておいた「ボブ・ディラン自伝」も届きました。さっそく読み始めています。感想はまた別の機会に……。