ああよく寝たな、と思いながら目をあくと、ドライブの途中だった。車は高速道路のような、広い片側三車線を走っている。
一瞬、誰とどこへいくのか状況がわからないので、隣りの運転席を見てみた。知らない顔だったが、彼がいるのは助手席で、ハンドルを握っているのが、ぼく自身だった。
居眠り運転なんてものじゃない。ぼくはさっきまで熟睡していたはずなのに、とあわてた。急に眠気がさめた。
とにかく、道路を走っている。
少し行くと、追突事故が起こっていた。
小さな乗用車に、中型乗用車が後ろから追突して、動物が交尾でもしているように、上に覆いかぶさっている。
変な事故を見て、車の行き先を決めかねていると、上に覆いかぶさっていた事故車が、急に背中を銃撃されたように、背筋を伸ばして直立し、それからドドーッと仰向けに倒れてしまった。
何があったのかわからない。
まきこまれないよう、うまく回避しなければ、と思っていたら……自分の車の中で目が覚めた。