かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

中島哲也監督「嫌われ松子の一生」

あの「下妻物語」の中島哲也監督の新作です。たのしみにしておりました。このひとの、予想のつかない人物描写のおもしろさ、特異な映像感覚、抜群でした。「下妻物語」は、映画がはじまるなり、あっけにとられて見ました。一級の娯楽作品、鮮やかです。

嫌われ松子の一生」も映像感覚などは、「下妻物語」をさらに大胆に推し進めています。色彩は人工着色そのもので、あでやかさと下品さとが、境界すれすれのところ。でも、このくらい大胆にやってくれると、ぼくは痛快でした。

徹底的に男性運の悪い「松子」の転落生涯を、中谷美紀が熱演。この美しい女優が、いろいろな「女性」を演じてみせてくれます。女教師、クラブ歌手、風俗嬢、美容師、女囚人、ヤクザの情婦、異臭を放つルンペン女など。「松子」の奇想天外な一生は、「見せます 中谷美紀のすべて!」……でもありました。

「松子」の少女時代を演じた子役さんもいいですね。「松子」をうまく中谷美紀につないでいるとおもいました。それと、「松子」の甥で、ストーリーの進め役となる青年を演じた、瑛太(えいた)のぼうようとした役柄が好きです。


ワーナーマイカル大井にて


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