【注】:taishihoさんのブログへのコメントとして……
taishihoさん、jinkan_mizuhoさん、ぼくもまた『リヴィング・イン・ザ・マティリアル・ワールド』を最近よく聴いています。お二人のコメントで、新たにジョージ体験をされていることを知って、とてもうれしいです。強烈なインパクトがある、とはいえないかもしれませんが、ジョージの音楽は繊細ですばらしいとおもいます。
taishihoさんが引用してくださったジョージの言葉は、その後のジョージの「生涯のテーマ」だとおもいます。彼はビートルズのメンバーとはおもえないほど静かな生活を好み、名声を離れ、最期は残酷に襲いかかる死をも恐れることがありませんでした。
ジョージは『リヴィング・イン・ザ・マティリアル・ワールド』のあと、レコード会社や私生活でトラブルが連続し、それにともなって作品も低下してしまいます。『ダーク・ホース』や『ジョージ・ハリスン帝国』は、彼の迷いが感じられます。ジョージはジョンのように直接自分を歌わなくても、生活の好不調がそのまま作品にあらわれるタイプの表現者だとぼくはおもっています。
再婚し、ダニー君が誕生し、私生活が彼の望むように静けさをとりもどすと、再び彼の才能は息を吹き返し、『慈愛の輝き』以降のすばらしい作品群を生むようになるのですね。ただとっても、アルバム発表の「間」が長くなります。でも、彼に付き合うには、ファンはそれに耐えなければなりませんでした(笑)。