かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

堤幸彦監督『明日の記憶』(2005年)

明日の記憶 [DVD]
涙を売り物の映画は好きでないので、この作品は気になっていながら、手がのびませんでした。しかし、DVDで借りてみた『明日の記憶』は、とてもいい映画でした。過剰に涙を要求する場面もありません。アルツハイマーで、記憶が壊れていく怖さを、改めて痛感しました。

記憶が壊れていく……それをアルツハイマーになった父で、私は実際に経験しました。同じことを何度も何度も質問するので、カレンダーの裏に必要事項を書いてわたしましたが、それを見ることも忘れるので、手のうちようがありません。映画は、リアルにそれを映像化していました。

渡辺謙が、徐々に進行していくアルツハイマー病患者を熱演しています。すばらしい作品だとおもいました。去年制作された映画を全部見たわけではありませんが、ぼくが見たなかでは一番にあげたくなる作品でした。

しかし、『硫黄島からの手紙』といい『明日の記憶』といい、渡辺謙はいつからこんなにいい俳優になったのだろう?