映画館を出たときは、電車で飛鳥山へいこうと思っていたが、ちょうど目の前にきた「西新井行き」のバスが、「王子経由」なので乗る。京都ではどこへいくのにもバスだったが、東京でバスにのることはめったにない。しかし、池袋からまっすぐ王子へいく電車はないので、直行できるバスは便利だった。
飛鳥山は桜の名所。花見客がグループになって昼間から宴会をしている。飛鳥山を1周する。
王子駅の近くに、以前1度寄ったことのある、おばあちゃんの立飲み屋があったので、そこへいく。
お店はやっていたが、おばあちゃんではなく、若い青年と、アルバイトらしい若い女性が二人働いていた。花見客がおでんを買いにくるので、お店の中よりも、表が繁盛している。
奥のカウンターにはいって、生ビールとおでんをたのむ。5人ほどはいれるカウンターに、二人しかいなかった。桜見物あとのビールとおでんはうまい。
生ビールと常温の日本酒、レモンハイを1杯ずつ飲んだら、ほろ酔い気分になってくる。
ひどく泥酔した客がいて、それがひとりの女の子にくどくど話しかけていたが、女の子はいやそうな顔をみせず、ていねいに返事をしていた。
まもなく泥酔客が帰ったので、
「以前きたときおばあちゃんがいたけど、元気ですか」と聞いてみたかったが、常連客のようなものいいは気がひけたので、やめる。
ほろ酔いのまま石神井川にそって歩く。王子の親水公園からずっと石神井川が流れている。桜がきれいだったので、しばらく川沿いに歩いていくが、どこまでも桜並木がとぎれない。
最初は途中までいって引き返すつもりだったが、そのままいけるだけいってみようと思い直す。桜と川はどこまでも続く。
【写真】:どこまでも石神井川と桜並木が続く
滝野川から、愛誠病院、帝京大を通過し、上を高速道路が走っている中山道を通り抜けて、2時間ほど歩いた。桜はずっと咲いている。
最後は、きのうも花見にきた中板橋に出た。中板橋は満開の桜で、きのうもきょうもたくさん人が出ている。
1度東武練馬のアパートへもどると、ホッピーを2杯飲んで、少し眠った。それから、数日間でたまった荷物や洗い物をバッグに詰めて、久しぶりに川越へ向かう。