竹内浩三が、出征の朝、机の上に書き残した文です。
【書置き】
十月一日、すきとおった空に、ぼくは、高々と、日の丸をかかげます。
ぼくの日の丸は日にかがやいて、ぱたぱた鳴りましょう。
十月一日、ぼくは○○連隊に入営します。
ぼくの日の丸は、たぶんいくさ場に立つでしょう。
ぼくの日の丸は、どんな風にも雨にも負けませぬ。
ちぎれてとびちるまで、ぱたぱた鳴りましょう。
ぼくは、今までみなさんにいろいろめいわくをおかけしました。
みなさんは、ぼくに対して、じつに親切でした。
ただ、ありがたく思っています。
ありがとうございました。
死ぬるまで、ひたぶる、たたかって、きます。