京から江戸に下った豆腐職人・永吉と深川育ちの娘おふみ。味覚、しきたりを乗り越え、店を構えた市井に生きる夫婦と子どもたちの二代に渡る愛と葛藤の歳月を描いた人情話!!
★(「ギンレイ通信」Vol.101より)
最初に木造の永代橋が映されます。この1年、下町をぶらぶら歩いている身としては、ハッとするシーンです。
俯瞰で映される隅田川と深川周辺の風景(もちろん、江戸時代の)。びっくりですね、目で見れてしまうなんて。長屋の近くには、永代橋よりも小さな木橋も出てきます。江戸の下町がセットとCGで再現されてしまうのが、見ていてもなんだか信じられなくて……。
映画はこうした<江戸の町>が主人公です。
登場人物は、厚みなし。テレビドラマのような<感情表現の過剰さ>は、なんどか見ている意欲をそがれました。妻<ふみえ>の娘時代を演じる、中谷美紀の<下町ハツラツ娘>の演技などは、わざとらしくて、見ていられませんでした。中谷美紀って、こんな女優でしたか。この映画の<ふみえ>は、「嫌われ松子」と同じ演技ではないはず。もう少し、人物の描き方・演出を考えてほしかったです。
それからお豆腐さんのものがたりなので、映画を見ながら無性に豆腐が食べたくなりました(笑)。それで、さっそく終わってから、赤羽「いこい」へとびこんで冷奴を2皿。さらに、夜も中板橋で1皿。「お酒のつまみは、やっぱり豆腐だ!」と、原点を見直しましたね、きょうは(笑)。
★「ギンレイホール」にて