アニマルズの「朝日のあたる家」は、誰も名作であることを否定しないとおもいます。1度聴いたら忘れられないギター・リフと、アラン・プライスのすばらしいオルガン演奏、そしてなんといっても、あのエリック・バードンの強烈なヴォーカル。ロックの名作カヴァー(原作者不明)のなかでも、最高の1曲だと思います。
1964年、ぼくがラジオのチャートを熱心に聴いていたころ、この曲はいきなり登場して、みるみるベスト10のトップにあがりました。
それから2年後、はじめて買ったボブ・ディランの2枚組ベスト・アルバムにも、この「朝日のあたる家」が収録されていました。唯一よく知っている曲のカヴァーだったので、繰り返し聴きました。
アコスティック・ギター1本で歌う、ボブ・ディランのけだるいヴォーカルはなんともリアルでした。ぼくは、これは<本物>だとおもいました。ぼくがボブ・ディランに注目した、最初のきっかけです。
発表されたのは、ぼくが聴いた順とは逆で、ボブ・ディランの方が早く、デビュー・アルバム『ボブ・ディラン』(1962年)に収録されています。しかし、このアルバムは売れず、さほど話題にもならなかったようです。
しかし、アニマルズが「朝日のあたる家」をロックにアレンジするとき、ヒントにしたのは、このボブ・ディランのヴァージョンでした。
ボブ・ディランの「朝日のあたる家」は、アニマルズほど知られていないとおもいますので、アップしておきます。
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