伝説の美少女アニメ『くりぃむれもん』を、「リアリズムの宿」で現在最も注目される新鋭・山下敦弘監督が実写映像化。血のつながらない兄と妹の恋愛を、瑞々しくもエロティックに描いた青春ドラマ。
(「goo映画」解説から)
美少女アニメの映画化、ということですが、アニメの方は見たことがありません。山下敦弘監督作品、ということで見てみました。
以前見た長澤まさみと妻夫木聡が主演した『涙そうそう』と同じく、血のつながりのない兄妹が、互いに惹かれあう、という設定です。『涙そうそう』のほうは、兄と妹が同居しながらも、互いに純愛を貫く<感動もの>の作品でしたが、山下敦弘監督がそういう作品を描くはずがありません(笑)。
兄と妹は、互いを強く意識しすぎるため、家の中にあっても、ろくに会話もままならない……という、この監督得意の気まずい状況が展開しますが、両親が外国へ旅行中、一度結ばれてしまうと、妹が学校から帰宅するのを、裸で兄が待ち受ける、というような、歯止めの効かない状況になってしまいます。兄妹は、暇があれば抱き合い、ついには、帰国した母に目撃されることに……。
二人はクルマで、伊豆へ逃走しますが、次第に関係は気まずくなり、会話もとだえがち……その後の、厳しい現実がおもいやられて、終わります。
しかしながら、この監督が、自ら望んで製作したとはおもいにくい作品でした。