かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

橋本忍『複眼の映像−私の黒澤明』


複眼の映像 私と黒澤明
tougyouさんが、ご自身のブログで、「黒澤明に関する本としては一番面白い』」と紹介しております。


「そんなおもしろい黒澤本があったのか、これはいかんいかん」とおもい、早速読んでみました。


そして、、、


さすがtougyouさんが推薦する本、おもしろい!!


途中でやめられなくて、暇があれば読みついで、一気に読了しました。


黒澤作品のなかでも、傑作中の傑作であるこの3本のシナリオは、上記のような共同執筆になっています。


では、2人、もしくは3人はどのようにして制作を分担して、この作品を生んだのか。その名作誕生の瞬間が、現場にいあわせたように、生々しく描かれています。ですから、読み出したら、もう目が離せません(笑)。


さらに『影武者』以降の作品が、過去の黒澤作品と比較して、どこか精彩を欠くのはなぜなのか。著者は、それをシナリオ・ライターの視点から鋭く分析しています。これも、なっとくのいくものでした。


【注】ただし、後半期の作品群のなかで、著者はオムニバス映画『夢』を部分的に高く評価しています。


tougyouさん、黒澤明ファンは、これはもう黙って読むしかないですね(笑)。推薦、改めて感謝いたします。


【了】