いま『エリック・クラプトン自伝』を読んでいます。
60年代はドラッグ、70年代〜80年代はアルコール中毒に苦しみながら、それを克服し、現在も最高峰のギタリストとして活躍している<ギターの神様>の自伝。
内容は本人しか書けない(他人が書いたらかなりの暴露本になる)、ドラッグ、アルコール、女性とのかかわりが驚くほど率直に書かれている。
もちろん音楽の記述も多い。
ヤードバーズ、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ、クリーム、ブラインド・フェイス、デレク・アンド・ドミノス……自分の音楽を探して、バンドを転々とした60年代のこと。そして、70年代からの長い長いソロ・キャリアの変遷。
有名なミュージシャンへの共感、確執も隠さない。
成功したミュージシャンが安直に出した自伝ではなく、大半は悔恨に満ちた、厳しく自分を断罪した本格的な自伝で、それだけに、読んでいて息苦しくなるところも少なくない。
謙虚な人柄でありながら、才能に恵まれたひとならではの傲慢さも持ち合わせており、性格は複雑だ。女性関係は、惚れやすく、だらしない。
★ ★ ★
「ダブル・トラブル」は、もともとはオーティス・ラッシュのナンバーで、クラプトンは、このカバーを、アルバム『ノー・リーズン・トゥ・クライ』(1976年)に収録している。
しかし、このアルバムを聴いたときは、それほど好きな曲として特別な印象はなかった。
それがその後クラプトンが来日して武道館でライヴ演奏をするのを聴き、すっかり魅せられ、その日本公演が収録されたライヴ・アルバム『ジャスト・ワン・ナイト』(1980年)が出ると、聴きまくった。
当時、ぼくはウイスキーの水割りを愛用していて(たいていはブラックかホワイトの安いウイスキー、さらにお金がないとレッドの大瓶)、炬燵で背を丸めて飲んでいた。
ゆったりしたブルース・ナンバー「ダブル・トラブル」を繰り返し聴いていると、いつかそのまま炬燵で眠ってしまい、翌日目が醒めると、コップがころげ落ちて、周囲が濡れて酒臭い……なんてこともあったな(笑)。
★ ★ ★
エリック・クラプトンの「ダブル・トラブル」。1978年のライヴ映像があったので、貼っておきます。長い曲だからか(8分くらいある)、後半の途中が大幅にカットされているのが残念! これからクライマックスなのに、この曲は(笑)。
気にいった方は、ぜひ『ジャスト・ワン・ナイト』の「ダブル・トラブル」を聴いてみてください。じっくり聴くとしびれますよ(笑)。それに、このアルバムのなかには、典型的な1970年代のエリック・クラプトンがいます。