かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ルー・リード&ジョン・ケイル『ソング・フォー・ドレラ』(1990年)


ソングス・フォー・ドレラ
元ヴェルベット・アンダーグランドのメンバー、ルー・リードジョン・ケイルが、アンディ・ウォーホールを追悼して製作したアルバム。とてもふしぎな響きをもっていて、これはたしかに元ヴェルベットの二人がつくった音楽だなあ、とはおもうけど、類似した傾向の音楽が見当たらない。あまりにも、独創的で奇妙だ。


サポート・メンバーなし。アルバム1枚二人だけ。


ギターが、ピアノが、ヴァイオリンが、けたたましいノイズを出しまくるが、二人のコミュニケーションはとれていて、一方が流れから逸脱することはない。二人は、時々視線を交わしながら、淡々と曲をすすめていく。鋭く、実験的で、ふしぎな優しさで……。ぼくは、これこそロックだとおもう。


全曲すばらしいので、選曲がむずかしい。どれも切り捨てられなくて、結局3曲のつもりが、迷いに迷って、5曲アップになってしまった。我慢して、でも、このすばらしい共演を聴いてください。


★   ★   ★


「フォエヴァー・チェンジッド」

ルー・リードの唯一無二のギターが奏でる、ふしぎな旋律が美しい。



「アイ・ビリーヴ」

★弾むような明るいピアノのリズムに、歪んだギターがまじりこむ楽しさ



「スタイル・イット・テイクス」

ジョン・ケイルのヴォーカルが優しい。ほっとここで一息(笑)


「イメージズ」

★ヴァイオリンが、歪んだギターをあおりたてる。まさにヴェルベッドを彷彿させる共演。


「ハロー・イッツ・ミー」

★二人の共演は、この曲で静かに閉じる……。