元ヴェルベット・アンダーグランドのメンバー、ルー・リードとジョン・ケイルが、アンディ・ウォーホールを追悼して製作したアルバム。とてもふしぎな響きをもっていて、これはたしかに元ヴェルベットの二人がつくった音楽だなあ、とはおもうけど、類似した傾向の音楽が見当たらない。あまりにも、独創的で奇妙だ。
サポート・メンバーなし。アルバム1枚二人だけ。
ギターが、ピアノが、ヴァイオリンが、けたたましいノイズを出しまくるが、二人のコミュニケーションはとれていて、一方が流れから逸脱することはない。二人は、時々視線を交わしながら、淡々と曲をすすめていく。鋭く、実験的で、ふしぎな優しさで……。ぼくは、これこそロックだとおもう。
全曲すばらしいので、選曲がむずかしい。どれも切り捨てられなくて、結局3曲のつもりが、迷いに迷って、5曲アップになってしまった。我慢して、でも、このすばらしい共演を聴いてください。
★ ★ ★
「フォエヴァー・チェンジッド」
★ルー・リードの唯一無二のギターが奏でる、ふしぎな旋律が美しい。
「アイ・ビリーヴ」
★弾むような明るいピアノのリズムに、歪んだギターがまじりこむ楽しさ
「スタイル・イット・テイクス」
★ジョン・ケイルのヴォーカルが優しい。ほっとここで一息(笑)
「イメージズ」
★ヴァイオリンが、歪んだギターをあおりたてる。まさにヴェルベッドを彷彿させる共演。
「ハロー・イッツ・ミー」
★二人の共演は、この曲で静かに閉じる……。