ローリング・ストーンズの「リトル・レッド・ルースター」を聴いたのは、1964年でした。日本では、「テル・ミー」に次いで2枚目か3枚目に発売されたシングルだとおもいますが、この辺の記憶はハッキリしません。
「リトル・レッド・ルースター」は、歌というより、語りのようなもので、こんな曲があるのかと、びっくりしました。
まだストーンズの大ヒット曲「サティスファクション」が発売されていなかったころの話です。
当時のビートルズの対抗馬といえば、デイヴ・クラーク・ファイブやサーチャーズ、ハーマンズ・ハーミッツなどで、ストーンズは、まだイギリスの、その他大勢のバンドの1つでした。
きっと、この辺の事情はringoさんは、よくご存知ですね。こういう話をringoさんとするのは、とても楽しいです(笑)。
★★★
「リトル・レッド・ルースター」は、ブルース・シンガー、ハウリン・ウルフの代表的な1曲ですが、これがまた素晴らしい!
いつの話なのか、時代を特定できないのですが、こんなエピソードを、アメリカのコラムニスト、ボブ・グリーンが書いているのをずっとむかしに、読みました。
ローリング・ストーンズのアメリカ公演の話題が沸騰していたころ、彼らに影響を与えたハウリン・ウルフは、生活がどん底で、レストランの皿洗いかなにかをして、やっとその日その日をしのいでいた。
ボブ・グリーンは、コラムで、ストーンズに呼びかけました。
<君たちの師匠が、今生活に困ってる。彼は、ローリング・ストーンズがやってきても、コンサートにいくお金もないんだ。君たちに、なにかできないかな?>
このコラムを読んで、ストーンズのひとりのメンバーが反応しました。
誰だとおもいます?
いまは、ストーンズを脱退してしまったビル・ワイマン(ベース)です。
ビルは、ストーンズのコンサート・チケットを持って、自ら、ハウリン・ウルフの住むアパートを訪問した、と、ボブ・グリーンは書いています。
ローリング・ストーンズを支えた、静かなベーシスト、ビル・ワイマンを忘れたくありません。
★★★
YouTubeから、ローリング・ストーンズの、1964年の「リトル・レッド・ルースター」と、1989年のライヴ(エリック・クラプトン、ゲスト出演)をアップいたします。
そして、<師匠>ハウリン・ウルフの素晴らしい原曲も。映像はありませんが、音楽を堪能してください。
●1964年版(亡きブライアン・ジョーンズのスライド・ギターを聴いてください)
●1989年ライヴ(やっぱり、エリック・クラプトンのギターは素晴らしい! これがビル・ワイマンが在籍した最後のストーンズ・ツアーとなりました)
●師匠ハウリン・ウルフの音源(これぞ、ブルース!)