ジョン・ウェイン主演の『駅馬車』を、久しぶりに見ました。小・中学生のころは、テレビで放映する西部劇を好きだったせいか、映画でも西部劇をよく見ました。
『駅馬車』、『真昼の決闘』、『荒野の決闘』、『誇り高き男』なんて、ハラハラしながら、熱心に見た映画です。
いまでも、時々無性に西部劇を見たくなるときがあります。あの広大な景色にも憧れますし、馬に乗って旅しながら、皿に盛ったマメと、アルミ缶のコーヒー(?)で簡単な食事をしたり、馬の鞍を枕に野宿する<旅情>など、小さなころからやりたくてしかたがありませんでした(笑)。
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『駅馬車』のジェン・ウェインは若いですね。ぼくは、もっと老人になってからのジェン・ウェイン主演作品はいくつか見ていますが、若いときの映画って、これしか見ていないかもしれません。
駅馬車に乗り合わせたのは、、、
- 脱走した囚人(ジョン・ウェイン)
- 元娼婦(らしい? はっきりわからないのですが)
- エリート軍人の若き妻
- 紳士風のばくち打ち
- 気弱そうな酒販売人
- 高慢ちきな成金
これが乗客で、それを頑固そうな保安官が護衛し、ひとのよさそうな御者が、ハイハイって気合いをいれて、馬を走らせる、というようなにぎやかで楽しい設定。
じつによく配置されています。これだけ個性的なひとたちが、小さな駅馬車に乗り合わせたら、いやでも人間ドラマが形成されてきますね。
アメリカのパニック映画などを見ると、いまも、いろいろな人間が集まる作品では、この<駅馬車的人物の構成>を踏襲しているような気がします。
荒野を遠景から撮ると、そのなかをマメ粒のような駅馬車が走るので、その風景のとんでもない広大さがよくわかります。
そして、インディアンの登場!
いつ襲ってくるか、と、駅馬車の乗客も、映画の観客も、恐々として、それを待つのですが、ドラマが佳境にはいると、いよいよ、アパッチ族が襲いかかってきます。
多勢に無勢……絶体絶命のピンチ!! どうみても、駅馬車側に勝ち目はありません。
激しい銃撃戦がはじまりますが、少人数ながら、激しい抵抗をみせる白人たち。インディアンの攻撃は工夫がなくて、バタバタ銃にあたって倒れます。もうちょっと、工夫して攻めればいいのに、とは子供のころにもおもいました。
しかし、やがて、銃にこめる弾丸が尽き果て、「これまで」、と観念したとき、あの騎兵隊のラッパが高らかに鳴り、インディアンは撃退されます。これですね、西部劇は!(笑)
この映画には、ぼくらが西部劇に求めたエッセンスが、その原形が、90%はつまっています。
最後のジェン・ウェイン1人対3人組悪党の決闘。一瞬で終ってしまう決闘の醍醐味。
3人相手でも、どんどん接近していく怖れを知らないジョン・ウェインの姿に、銃を持つ仲代達矢に、ふところ手のままグングン近づいていった、『用心棒』の三船敏郎の姿がダブりました。