かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ニコラス・レイ監督『キング・オブ・キングス』(1961年)

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それまでぼくが見た映画では、キリストが登場しても、顔は出てこなかった。あの『ベンハー』でも、キリストは出てくるが、顔は映されない。


12〜13歳のころ、ぼくが最初にキリストの顔を見たのは、この『キング・オブ・キングス』という映画だった。キリストを演じたのは、ジェフリー・ハンターという俳優である。


人を惹きこむような強い目をもった、美しいキリストだった。


それまでジェフリー・ハンターは、西部劇の悪役などで見たことがあったが、あまりなじみのない俳優である。思うに大変な抜擢だったのではないか。


しかし、『キング・オブ・キングス』でせっかくチャンスをつくったのに、ジェフリー・ハンターが、その後めぼしい作品に出演した話をきかない。


いいのか悪いのか、ジェフリー・ハンターは、このキリスト役をやってしまったために、その後他の役をやりにくくなったのではないか、というのはぼくの推測にすぎないが。実際どうだったのだろう?




 
★キリストを演じるジェフリー・ハンター





★それ以前は、西部劇で脇役を演じていた




昨年末、急にこの作品が見たくなって、久しぶりに見てみたが、やっぱりジェフリー・ハンターのキリストは美しいとおもった。長い間、ぼくのなかで、キリストの顔は、このジェフリー・ハンターで定着していたこともわかった。


映画『キング・オブ・キングス』は、馬小屋での生誕、暴君ヘロデ王の幼児皆殺し、ヨハネの洗礼、平和と愛を説く山上の垂訓、ゴルゴダの丘での磔、そしてキリスト復活までを、わかりやすく描いている。


逆にぼくの聖書の理解は、ここから一歩も先へ出ていないかもしれない。