時々、ジョン・レノンはロック・シンガーで、ポール・マッカートニーはバラード・シンガーだとおもっているひとに出会うことがある。たしかに、ポールはバラードの名曲を作りすぎた(笑)。そのために彼の<ロック>する部分が見えにくくなっている。
しかし、ジョンはロックで、ポールはバラード・・・なんて、ビートルズは、そんな簡単に類別できるバンドではない、というのはビートルズ・ファンはわかっているけれど、一般には意外に誤解があたりまえに流通している。
「ポールを甘く見るんじゃねえよ」とぼくはいいたいのだ(笑)。
ジョンの歌うロックンロールが最高なのは、ぼくも十分に認めるけれども、ポールも尋常なロック・シンガーではないのだ。
ぼくは、いまでもポールが歌う「ロング・トール・サリー」、「アイム・ダウン」、「ヘルター・スケルター」を聴くと、からだじゅうが熱くなってくる・・・。
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●パット・ブーンはともかく(笑)、エルビスもキンクスもこの曲をカバーしているけれど、この激しいシャウトに並ぶものは、リトル・リチャード本人しかいない、とおもう。それにしても、このライヴ、リンゴの気合のはいったドラミングに圧倒される
●ぼくは、ビートルズのロックンロールが大好きだった。シングル「HELP!」のB面に収録されたこの激しいロックを当時A面以上に聴いたかもしれない。
●ソロになってからも、ポールのロックンロール・ヴォーカルは衰えることがない。「ルシール」はビートルズ時代からの18番だったが、「ロング・トール・サリー」と重複すると考えたのか、ビートルズはスタジオ録音をしなかった。しかし、BBCライヴでは、ビートルズ時代の演奏を聴くことができる。
●そして後期ビートルズの極めつけロックンロール「ヘルター・スケルター」。この狂気のようなヴォーカルを誰がまねできる?(笑)