かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

セルジオ・レオーネ監督『荒野の用心棒』(1964年)


マカロニ・ウエスタンに興味がなかったので、この有名な映画をいままで見たことがありませんでした。


ところが、先日tougyouさんが、こちらでアップしてくれた『七人の侍』、『用心棒』についてのジェームス・コバーンクリント・イーストウッドのインタビュー映像を見てから、急に見たくなりました。


近年監督として充実した作品を次々発表しているクリント・イーストウッドの、若き日の役者ぶりにも興味がありました。



で、見た印象としては、おもしろかったです。


クリント・イーストウッドはやっぱりかっこいい。ほとんど表情を変えない演技はすでに完成していて、じつに渋い。これは、三船敏郎が『用心棒』で、新しい個性を築いたのと同じくらいにかっこいいです。


イーストウッドは、ものまねでない、彼独自の魅力を完成しているとおもいました。



筋立ては『用心棒』とほぼ同じ。これでは、盗作問題が生じるのは、当然です(なぜ黒澤明の名前をクレジットしなかったのか、ぼくは知らないのですが・・・)。


黒澤明の脚本は、筋立て・骨格がしっかりしていますから、そのまま映画化しても、ある程度はおもしろい作品になるだろうな、とおもいますが、盗作問題は別として、リメイクとしては成功した例ではないか、とおもいました。


しかし、この西部劇を見ながらも、これを最初に発案したのは、黒澤明ですから、やっぱりあのひとはすごい人だなあ、とおもうのですが。



製作されたのが1964年というのは意外でした。


ぼくは、そのころテレビで、アメリカの西部劇を見ていましたから、マカロニ・ウエスタンは、もっとあとに製作された<擬似西部劇>だとおもっていました。


しかし考えてみれば、ぼくがテレビの西部劇をよく見ていたのは、1964年より前なのかもしれません。1964年の初夏にビートルズを知ってからは、アメリカのテレビ番組を見るのも興味が褪せてしまったはずですから・・・。


1964年というのは、ぼくには<ビートルズ元年>です(笑)。このさすらいガンマンの映画が、それと同じ年につくられたというのは、ちょっと意外でした。