かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ブライアン・ウィルソンの『PET SOUNDS』とポール・マッカートニーのこと


ペット・サウンズ
ブライアン・ウィルソンが作曲したなかで、ぼくが、もっとも好きな曲の1つが「God Only Knows」だ。60年代にはビーチボーイズに関心がなかったので、この曲をちゃんと聴いたのは、ずっとあとになってしまった。


いまは、クルマのなかでビーチボーイズブライアン・ウィルソンのソロ・アルバムを時々聴く。むかしは、キレイすぎて気持ち悪かった彼らのコーラスが、心地よく響いてくる。


特に「God Only Knows」は、リピートで聴いたりする。



「God Only Knows」は、ビーチボーイズの問題作『PET SOUNDS』に収録されている。


このアルバムを、ブライアン・ウィルソンは、ビーチボーイズのツアー中(ブライアンは不参加)、スタジオ・ミュージシャンを使い、ヴォーカルをのぞいてすべて完成させてしまった、という。簡単にいえば、ブライアンのソロ・アルバムのようなものだ。


有名な話だけれども、これまでのサーフィン・サウンドとかけ離れた『PET SOUNDS』を、ビーチボーイズのメンバーもレコード会社も酷評し、認めなかった。これで、ブライアンは孤立する。


shiropさんがいうように、ビートルズの場合、メンバーがどのような新しい実験を試みても、他のメンバーやジョージ・マーチンは熱心に耳を傾けて、一定の理解と協力を惜しまなかった。


これは、ビートルズビーチボーイズの大きな違いで、グループ内に理解者を得られないブライアンは、孤独だった。



しかし、意外なところに知己はいるもので、


ブライアンの『ペット・サウンド』を援護したのは、ポール・マッカートニーの発言だった。


ポールいわく。「『SGT. PEPPER'S』は、『PET SOUNDS』から刺激を受けてつくった」


さらにその後、ポールは、大好きな1曲として「God Only Knows」をあげている。


ポールの発言は、孤立を深めていたブライアンを、どれほど勇気づけたろう。


ブライアン・ウィルソンはいま、自身のライブで「God Only Knows」を演奏するとき、「ポール・マッカートニーの好きな曲です」と、誇らしく紹介することがある。


<天才のみ天才を知る>ということだろうか?



Gettin in Over My Head
その天才同士の<友情>が共演として結実したのは、『PET SOUNDS』(1966年)発表から38年後、、、2004年にブライアン・ウィルソンが発表した『GETTIN' IN OVER MY HEAD』というアルバムだった。


このアルバムに収録されている「A Friend Like You」で二人は仲良くヴォーカルを分けあっている。