2009年のポール・マッカートニーの最新ライブ。
わたしの買ったのは、CD2枚+DVD1枚の通常版。CD2枚にはライブで演奏された33曲が全部収録されていて、さらにDVDにはそれを演奏しているライブ映像が収録されている、これで定価3800円(Amazonでは、3118円)というのだから、むかしからは信じられない。
とにかく格安だ(笑)。
この有り難味は、若いひとにはわからないかもしれない。
ついこないだまでは、CDはCDで買い、DVDはDVDで買って、音と映像の両方を完璧に体験できたわけだけど、もうこの1セットを買えば、すんでしまうというわけだ。
遡ること、レコード時代のライブ盤なんて、収録数は10曲〜14曲程度が1枚組の限界だから、もっと収録しようとすると、どうしても2枚組の割高にならなければならなかった。
ライブ盤でライブの全貌を知ろうなんて虫のいい話で、だからライブ会場へ足を運んで、自分の目でそれを体験しなければならなかったのだけど。まあ、それはそれで意味があるとしても、、、
ポール・マッカートニー&ウイングスの『ウイングス・オーバー・アメリカ』は当時としては画期的で、全曲を収録した。
レコードでなんと3枚組。そうでなければ、全曲収録なんて不可能だったのだ。
もちろん、映像は別だ。
その映像は映画館で上映され、のちにビデオ化されたけど、レコードとは収録曲も違うし、選択されたライブの演奏も同一ではない。
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そんな今昔の思いとは別に、このCD&DVDに収録されたポール・マッカートニーのライブは、むかしの輝きを全然失っていない。
1965年ビートルズがシェア・スタジアムで初のスタジアム・コンサートをおこなったことは伝説になっているが、その同じ場所で(建てかえられて名前は変わったが)、いまポール・マッカートニーが新しい伝説をたてようとしている・・・それがここに収録されたライブだ。
ステージに立っているのは、67歳のポール・マッカートニーである。ウソだろ・・・といつもポールの歳をまた勘定してしまう(笑)。
普段のスナップでは、ポールの写真を雑誌やネットで見るとき、若いようでも、さすがポールもしわが増えたなあ、なんておもうときがある。
でも、このステージのポールを見ていると、愕然としてしまう。からだの輪郭も動きも表情も、そして何より声も若々しく、いまも、ビートルズの60年代、ウイングスの70年代の名曲を熱唱してくれる。とにかく、信じられないくらいかっこいい。
67歳のポール・マッカートニーが「アイム・ダウン」や「ヘルター・スケルター」をシャウトする。
その姿を見れるだけで、「生きててよかった」とおもってしまう。
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●映像は1965年シェア・スタジアムで演奏されたビートルズの「アイム・ダウン」。