元旦の朝まで仕事する。早朝仕事から引き上げるときに、クルマのルーム・ミラーから、初日の出を見た。
極貧荘へ帰宅して少し寝てから、川越へ1週間ぶりの帰宅。お酒を飲むかどうか迷ったが、家人と相談して、出かけることにする。
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昨年の1月5日、正月の暴飲暴食の運動不足を補うため、越生(おごせ)を朝から夕方暗くなるまで、ひとりで歩いた。歩くことじたいが目的で、13キロ〜14キロくらい歩いたが、この長い散歩で、予期していなかった楽しいことが2つあった。
- 池から掬いあげたイワナをその場で刺身にして食べさせてくれる水車小屋のお店で、イワナの刺身とニジマスの塩焼きを肴に、熱燗を飲めたこと。
- 代官屋敷というところに、柚子の実がいっぱいに生った木が何本もあって、もいでは好きなだけ食べ放題、さらにバックにはいるだけつめて、帰宅後<柚子割り酎ハイ>をいっぱい飲んだこと。
今回は、歩くのではなくて、家人とクルマで、この2つの目的を達成するため、越生へ向かう。
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行きはわたしが運転。
途中で朝ご飯を食べるつもりだったが、正月はどこの飲食店もしっかり閉まっていた。これでは、野生の柚子はあるだろうけど、水車小屋のお店は閉まっているかもしれない、とおもいはじめる。
とにかく、途中の町も村もまったくあいていない。越生へはいっても、同じ。
黒山三滝の下に着く。三滝へは、ここから山道を15分ほど。
駐車場にクルマを停め、三滝へ向かう山道を家人と登っていくと、家人がへたばりだしたので、先にひとりでいって、お店がやっているかどうかを、調べて連絡することにする。
ひとりで歩いていると、山のなかに煙が見えた。煙を見ながら、もっと登っていくと、去年寄った水車小屋のお店からその煙が立ち昇っている。
やっていた。間違いなく、お店のご夫婦がニジマスやイワナを焼いている煙だ。
携帯が通じないので、家人を呼びに戻る。家人が、下の曲がり角から休み休み登ってくるのが見えた。わたしを見ると、頭の上に、両手で「円(マル)」の形を描いて聞いてきたので、こちらも両手で「円(マル)」の形をつくって、水車小屋の店がやっていることを合図した。
わたしは熱燗。お酒を飲まない家人は甘酒で、遅い朝食をとる。今年もイワナの刺身がおいしかった。刺身を食べられない家人は、椎茸やギンナンに火を通して食べる。
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家人の運転、わたしの案内で、去年歩いた記憶をたよりに山道を走る。わたしはお酒を飲んだので、運転は家人に交代したが、狭い山道を怖がった。
●代官屋敷と柚子の木。*2
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代官屋敷の柚子は、今年も豊作で、買い物袋とコートのポケットいっぱいつめて、わたしは満足して、川越へ帰った。