かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

熊坂出監督『パーク アンド ラブホテル』(2008年)

パーク アンド ラブホテル [DVD]

くたびれかかったラブホテルを経営している艶子。ホテルの屋上には、小さな公園があり、町の人々に解放していた。とっつきにくく、無愛想な艶子であるが、公園はいつも老人や子供たちで賑わい、夕暮れ時に子供たちを家に帰すのに一苦労するほどだった。その公園に、髪を白く染めた見慣れない女の子がやって来る。大きなリュックサックを背負った女の子は、一目で家出少女だと悟った艶子は、「夕食を食べていけ」と無愛想に言う。


(「goo映画」の解説から)


むかしむかし、「私は泣いています、ベットのうえで・・・」とけだるくハスキーな声で歌っていた<リリィ>が、「おばあちゃん」と呼ばれる役。実際は59歳の役だが、「おばあちゃん」と呼ばれても仕方ないような老け役だ。年月が経ったなあ、とおもう。


このおばあちゃんは、出て行ってしまった夫の残したラブホテルを経営しながら生計をたて、そのビルの屋上を町の人々に解放している。


老人が、子どもたちが、時には若者が、この屋上に遊びにやってくる。屋上は、街のひとたちの安らぎの場になっているようだ。



あたたかいが無愛想な<リリィ>が、初老の女性を演じている。そこへやってくる、心の悩める若い女性3人との、小さな触れ合いが描かれるが、主人公が無愛想なので、甘ったるくない。


映画の出来とは別に、何十年ぶりに見る、<リリィ>の老け役にはちょっとおどろいた。