つげ義春、辰巳ヨシヒロ、永島慎二・・・この3人のマンガ家を愛読していたころがある。
DVDの箱の説明を読んだら、これは永島慎二の、愛読した作品の映画化ではないか、とわかり、迷わず借りてみた。
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阿佐ヶ谷の風呂なし木造<6畳>アパート(原作では、3畳か4畳半だったような気がする。6畳は広すぎるのだ)が舞台。
マンガ家タマゴの青年が住むアパートに、歌手志望、画家志望、小説家志望の3人の若者が住みつく。4人の共同生活がはじまった。
彼らには、夢はあるがお金がない。
60年代後半から70年代の前半には、こんな若者たちがたくさんいた、ような気がする。わたしの知るひとたちも、わたし自身も、みんな古い木造アパートの4畳半に住んでいた。
そこへどしどし大勢で押しかけたり、押しかけられたりして、安いウイスキーを飲んでいた。
だから、映画に描かれている<木造アパート>の空気が妙に懐かしい気がしてしまう。
もともとのこの部屋の持ち主で、マンガ家のタマゴを演じる二宮和也が、自然な演技で、好演している。
むかしを知るものには、ほのぼのとした気分にひたれる映画だ。