かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

小林義則監督『きな子 〜見習い警察犬の物語』(上映中)



川越から近い、南古谷の映画館で見る。先日DVDで『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』を見たけれど、今日の映画も、あんまり警察犬の素質に恵まれているとはいえない、ドジな<見習い警察犬>を主人公にしたものがたり。


犬が主人公の映画は、まず観客が犬が好きかどうかで限定されてしまう。最近自分がかなり犬好きだな、ということがわかってきた。少し映画の内容が甘いようにみえても、予告編で登場する犬がかわいいと、ついつい見にいってみたくなる。



映画のみどころは、主人公のきな子を演じるラブラドール・レトリバーのユーモラスなかわいらしさと、警察犬訓練士の見習い杏子(夏帆)の可憐さに尽きてしまう。魅力的な脇役は登場しないし、ものがたりも、ほぼ先がよめてしまう。


だから、やっぱり観客は犬好きでないと、退屈かもしれない。


しかし、そのうえでいうと、このきな子を演じるラブラドール・レトリバーは、とても愛くるしい。


ちっさな女の子を助けるために、台風でどろだらけになりながら、森のなかを走る<きな子>を見ていて、感動してしまった。


警察犬の訓練士見習いを演じる夏帆も可憐だけれど、山下敦弘監督が『天然コケッコー』で引き出したような、自然な演技は薄い。


演出過剰とまではいわなくても、もっと抑制されているほうが、好きだな、とおもう。


それでも、夏帆は、十分可憐で、適役だった。