tougyouさん、ありがとうございます。『秀子の車掌さん』最後まで見ることができました。以前池袋の新文芸座で見ましたが、ずいぶん時間も経っているので、新鮮でした。
少女時代の高峰秀子が、子役からずっと芸能生活を続けているとはおもえないほど、初々しいですね。高峰秀子は、小さなころから、義母やその親戚の生計を支えるために、好むと好まざるとに関らず、一家を支える稼ぎ手としての苦労を強いられたわけですけれども、そういう垢のようなものが全然感じられず、とても清楚で可憐な感じがしました。
しかし映画の内容は、やっと運転手(藤原釜足)と車掌(高峰秀子)の機転で、バスの乗客を集めはじめたのに、最後はこのバス会社を社長が売り渡すことを暗示して終わるわけですね。
終始明るく話をすすめていきながらも、そのまま「メデタシメデタシ」で終わらないのは、いかにも成瀬巳喜男の作品という感じがしました。