Nao(息子)から鎌倉を散歩しよう、という連絡があって、12時に八幡宮の境内で待ち合わせる。
Naoは午前10時ころから、北鎌倉駅を拠点にスタートしていた。夜勤あけのわたしは遅れて極貧荘を出たので、八幡宮へ直行する。
極貧荘のある東武練馬から池袋へ出て、湘南スカイラインの直行で鎌倉へいく。
文藝春秋の「きことわ」を読みながらいくが、寝不足でうつらうつらしているから、ちっとも小説のなかへはいっていけない。小説のリズムも、自分とあわないのかもしれない。文章が、頭にはいってこない。
★
鎌倉駅からNaoにメールして、小町通りをのんびり歩く。自然に、目が昼から飲める居酒屋を探しているのがこわい(笑)。
途中の古本屋で、内田百閒の『冥途・旅順入城式』という短編集の文庫本を買う。200円。むかし読んだが、忘れているところもおおく、表紙を見たら読み返したくなった。
★
鎌倉八幡宮で、すぐNaoと合流できた。
台風で折れてしまった樹齢1000年というイチョウの跡を見てから、いったん駅まで引き返し、いっしょに昼飯。
あまり気がすすまないがNaoの要望で、洋食。Naoは、生ビールで、わたしは焼酎の水割りを2杯。
駅から鎌倉八幡宮まで引き返す。
八幡宮の近くの蕎麦屋で、20代のころ小林秀雄を見かけたことがある。10代だったかもしれない。暖簾をくぐってはいったら、どこかで見たことのある白髪のひとが、ざる蕎麦のようなものを食べていた。すぐ、写真で見たことのある小林秀雄だとわかった。
鎌倉にきて、この蕎麦屋の前を通ると、いつもそのときの小林秀雄のことを思い出す。Naoにそれを話したが、「小林秀雄ってだれだっけ」という。説明しても、それほどピンときてないようだ。
★
今回は覚園寺(かくおんじ)を見るつもりだったが、時間があわないので*1、いったん瑞泉寺まで足をのばす。
瑞泉寺は、周囲に森や竹林があり、境内へ至る石段を登っていると、山寺にいるような気持ちになれる。
また鎌倉宮まで引き返し、覚園寺へいくと、もう拝観希望者が集まっていた。
★
覚園寺の住職から、1時間ほど寺の800年の由来。ここに安置されている薬師如来像や12神将などの仏像について、説明を受ける。
境内も堂内も冷え冷えして、歩いてかいた汗がひき、だんだん寒くなってきた。が、住職が一番薄着しているので、拝観者は黙って最後まで熱心に説明を聴きながら、仏像や境内を見ていた。
夜は、Naoの案内で横浜の中華街へいき、少し飲む。