マイナー映画のときから、注目している山下敦弘(やました・のぶひろ)監督の新作が5月に公開される。
『どんてん生活』(2001年)
『ばかのハコ船』(2002年)
『リアリズムの宿』(2003年)*1
『リンダ リンダ リンダ』(2005年)
『松ヶ根乱射事件』(2006年)
『天然コケッコー』(2007年)
など、過去の作品は、個性的でおもしろい作品が並んでいる。わたしは、『ばかのハコ船』を見て、一気にこの監督を好きになってしまった。いまでも、この作品はとくに思い入れがある。どうしようもなく可笑しすぎる(笑)。
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なさけない男、ダメな男を描くと山下敦弘作品は、冴える。その頂点は、『どんてん生活』、『ばかのハコ船』の山本浩司であり、『松ヶ根乱射事件』の三浦友和である。
ダメ男の登場しない映画では、『天然コケッコー』の夏帆の初々しさが、すばらしかった。言葉で伝えられない初めての恋を、ていねいに描いている。
この監督は、男性でも女性でも、ぶきようであったり、初心であったり、言葉でうまくいえないもどかしさを描くのが得意だ。
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1960年代後半、今の日本が失った社会の熱が渦巻いていた時代。若きジャーナリストと活動家、二人の若者の運命的な出会いにより引き起こされた、ある衝撃の事件。そこに浮かび上がる激動する「現実」と身を焦がす「理想」の狭間で葛藤する若者たちの想い。時代・世代を超えて魂を揺さぶる衝撃と感動のドラマが誕生した。
(「goo映画」解説より)
この映画解説からでは、新作にこれまでの山下敦弘監督の特徴があらわれているのかどうか、わからない。新作は、新しい表現に挑戦しているのかもしれない。
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もうひとつ、ロックが好きなら、このタイトルはボブ・ディランの曲名だと気がつく。オリジナルは、ボブ・ディランだが、バーズの曲として知っているひともいるかもしれない。
予告編を見る限りでは、ディランのオリジナルを使っていないようだが、山下敦弘+ボブ・ディランという組み合わせも、ふたりのファンとしては、うれしい。