- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: Blu-ray
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町にあるツタヤの「ミニ・シアター」コーナーでみつけ、レンタルしてみましたが、とても変った映画でした。
ネットで検索してみると、製作国は「スペイン=フランス」となってます。監督はスペイン人のようです。
ヨーロッパ映画の情報にうとくなってしまいましたが、こういうおもしろい作品がつくられているんですね。
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映画がはじまって、青年がベットにすわっているのですが、これがちっとも動かないので、しばらく見て、誤ってリモコンの一時停止ボタンでも押してしまったのかな、とおもいました。
でも、よく見ると青年はじっと何かを考えこんでいますが、指先に持っている鉛筆が少しだけ動いているんです。あっ、映画はちゃんとはじまっていたんだ(笑)。
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次に街が映りますが、カメラは固定されたまま。
T字路を、ひとは右から左へ、左から右へ、横切っていきます。歩く靴のコツコツという音だけが、画面で鳴っています。
しばらくして、さきほどの青年があるドアから出てきますが、特にクローズアップにはなりません。
カメラは、まだ固定されたままで、青年はドアを出てくると、こっちへ向かって歩いてきて、そのまま画面からはみ出して、いなくなってしまいます。
そのあとも、カメラは固定されたままで、人が右から左へ、左から右へ、あるいは曲がってこっちへ向かって歩いてくる・・・。
こういう固定カメラの映像で作品を撮った監督といえば、あの小津安二郎監督ですね。こんな偶然みつけた作品で、小津安二郎的表現に出っくわすとは、なんだか興奮しました(笑)。
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青年はシルビアという女性を探しているようですが、説明はなく、ただカフェや街の雑踏で、美しい女性を次々目に焼きつけ、目にとまると、スケッチブックに鉛筆でデッサンしていく。
街にいる女性が次々画面にとらえられるので、どれがシルビアだろうな、っとおもってみていますが、その対象がどんどん変わっていくので、なんだかわからなくなってきます。
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ここまでセリフはなし。
その後、青年がひとりの女性を追いかけて、「シルビア」と声をかけますけど、女性は反応なし。ふたりのあいだに、そのあと少しの間セリフのやりとりがあるのですが、結局女性は去っていき、全編でセリフらしいセリフがあるのは、このシーンだけでした。
あとは、街の雑踏の音だけ・・・。
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ほんとうにシルビアという女性が実在したのか、青年の妄想なのか、あるいはただのナンパの手段なのか・・・それもよくわからないまま、カメラは、また青年の目と同化して、街のなかのたくさんのシルビア候補を追っていきます。
新鮮で、おもしろかったなあ。
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