公開された当時映画館で見て、じっくりと見ごたえのある作品だなあ、とおもいましたが、ひさしぶり「山田洋次が選ぶ100本」で見て、さらに感心しました。
スジはむかし見て知っているので、今回は背景に映る映像を中心に見ていましたが、茶道のことを何も知らなくても、茶室、陶器、襖絵、庭・・・出てくる映像がどれも美しく、堪能しました。
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原作は、野上弥生子の「秀吉と利休」。
信長は、利休の美意識の高さを理解し、茶道の普及とともに利休を高い地位に取り立てるが、秀吉は、利休のブランドとしての価値を知るものの、本当のところで利休の美意識を理解する審美眼をもたない。だから、いつも自分が利休に軽んじられているような屈辱をかんじてしまう。
秀吉は、天下をとり、いまやなんでも思いのままになるのに、利休の心は支配することができない。
秀吉の、利休へのコンプレックスが次第に募って、やがては利休に切腹を命じることに・・・。
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俳優では、山崎務の秀吉はやや戯画化されていて、利休の人格の高さを重厚に演じた三国連太郎に比べると、ちょっと分が悪いような気がします。どちらも、きっと演出どおり忠実に演じたということでしょうが、明らかに映画の力点は、利休に傾いています。
タイトルも原作は『秀吉と利休』なのに、この映画はズバリ『利休』なんですね。