- 作者: 斎藤明美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 単行本
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斎藤明美さんの本は、おもしろい。これで読むのは3冊目だけど、どれも読みだすと惹きこまれてしまう。
高峰秀子のきわだった個性は魅力的であっても、それをここまでくっきり描いて見せてくれるのは、著者の文章の力だ、とおもう。
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これは高峰秀子が亡くなってから発行された2冊のなかの1冊だけど、著者が高峰秀子の死について新たに書いたわけではなくて、本文はすべて以前のもので、「まえがきに代えて」だけが、死後に書かれている。
その「まえがきに代えて」だけでも、著者のひたむきな想いが伝わってきて、わたしは何度か目頭が熱くなった。
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嫌いだった女優を引退してからの高峰秀子は、夫松山善三へ手料理をつくることと、読書三昧で、日々を送っていた・・・そのなんでもないような日々が語られながら、どうしてこの本はおもしろいのだろう。
単行本になってない高峰秀子の雑誌に書かれたエッセイが何篇か収録され、それが書かれるまでの経緯と顛末を著者が記している。