オリヴィア婦人とジョージ・ハリスン。
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マーティン・スコセッシ監督『リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド』3回目を、こんどはDVDで見ました。
3時間半だから、分割で見てもいいかな、とおもいながらDVDをセットしたら、結局ひと息で見てしまいました(笑)。
3回目でも、やっぱり感動しました。この映画の完成を、3年前から待っていましたが、それが実現して、ほんとうによかったし、評判もいいので、よろこんでいます。
ただ、そのうえでいうのですけど、音楽的な偏りはなんど見ても、不満が募ってきます。ジョージのアルバムで、ある程度内容に触れたのは、フィル・スペクターがプロデュースした『オール・シングス・マスト・パス』だけ。これはさびしい。
そのあとの歩みを、もっと広く知って欲しいのに、ジョージの音楽について語るひとの大部分は、この『オール・シングス・マスト・パス』と『バングラデッシュのコンサート』で、音楽活動がおわったみたいに、あとをカットしてしまいます。これってジョージ・ファンには悔しいことですよ。
しかも、セールス的な配慮か、オリヴィア夫人が選曲したというベスト盤の選曲でも、この不満を逃れてなかったし、スコセッシ監督の映画の音楽的偏りも、オリヴィア夫人の選曲と傾向が似ています。
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映画に話をもどすと、せめてジョージが死去する2ヶ月前の演奏「ホース・トゥ・ザ・ウォーター」についてのコメントくらいは、共演したジュールズ・ホランドとダニーから、そのときのジョージの様子をもっと聴きたかった・・・。
そこにも、きっとジョージらしいエピソードがあったのではないか、とおもうのですが。
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●これが衰弱して亡くなる2ヶ月前の演奏?・・・メロディーも声もジョージそのものだし、後半に登場するギター・ソロのフレーズと音色は、ジョージならではの味わいに満ちている。