- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 新書
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戦前から戦中、戦後まで、これほどおおくの映画で銀座が描かれているとは、びっくりです。古い日本映画を見るのは好きで、機会があれば見ているつもりでしたが、本で紹介されている作品のほとんどを見ていませんでした。
戦災や高度成長によって変ってしまう以前の銀座、その風景を、映像にとどめることを意図して撮影した監督もいたようです。
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見たい映画がたくさん出てきたので、ネットでレンタルできる作品を検索してみましたが、ヒットするのはすでに見た作品ばかりでした。名画座やフィルム・センターの特集でもないと、見たいときに見られないのは残念。
本はよほど特殊なものでなければ図書館へリクエストすれば用意してもらえるのに、映画は、まだまだ不便ですね。
川本三郎ファンですから、川本さんの優しい文章を読んでいくのは心地よく、さりげなく引用される文献の豊富さにもおどろくばかりですが、それがちっとも衒学的ではなく、古き銀座への郷愁をいっそう強く駆り立ててくれます。
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目次と、紹介されている映画のタイトルをあげておきます。
1.戦前のモダン都市東京
- 東京ラプソディ
- 女人哀愁
- 花籠の歌
- 東京の女性
- 結婚の生態
2.戦争の傷跡と復興の熱気
- 誘惑
- お嬢さん乾杯!
- 暁の追跡
- 銀座の踊子
- 東京のヒロイン
- ゴジラ
3.小春日和の恋人たち
- 新東京行進曲
- 都会の横顔
- 女心はひと筋に
- 恋愛特急
- あした来る人
4.高度経済成長で変る風景
- ロマンス娘
- 夜の蝶
- 悪徳
- サラリーマン出世太閤記 課長一番槍
- 銀座旋風児
- 夜の流れ
- 秋立ちぬ
5.颯爽とした女たち
- 女が階段を上る時
- 東京の暴れん坊
- 河口
- セクシー地帯
- 銀座の恋人たち
- その場所に女ありて
- 如何なる星の下に
- アカシアの雨がやむとき
- 風速七十五米
- 東京は恋する
- 二人の銀座