かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

前之園明良著『荷風と歩く 東京いまむかし』


荷風と歩く東京いまむかし

荷風と歩く東京いまむかし


著者の読み方は、「まえのその・あきよし」。


永井荷風は、江戸の風景の名残を求めて、変貌する東京を歩いたけれど、わたしなどは、荷風が歩いた古き大正・昭和の面影を探しながら、下町を散歩する。


荷風は、生粋の江戸っ子、子どものころから江戸文化の空気のなかで育った。そのうえの深い知識が、イメージを補強していく。


地方から出てきたわたしには、到底かなわないものがある。そこで、こんな親切・丁寧な案内本に、助けてもらわらなければならない。



白黒写真の紹介はありますが、全体には文章中心で、荷風の歩いた街の足跡をたどっています。


目次をあげておくと、、、

  • 向島の風雅
  • 本所江戸の新開地
  • 亀戸の旧跡
  • 深川水辺の街
  • 浅草祭りと歓楽の街
  • 日本橋銀座界隈
  • 山の手の台地から
  • 終の棲家の市川


副題に「文人が住んだ町、歩いた街、愛したまち」とあるとおり、荷風を中心に、その街にゆかりのある文人の文章を引用、詳細に街の文化や歴史が紹介されています。


どの街も、一度は散策したことがありますが、ほとんど知識がないまま歩いていたので、ひさしぶりに出直してこようか、とおもっています。