かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ブロードウェイミュージカル『ミリオンダラー・カルテット』(9月15日)


9月15日の昼、池袋の居酒屋でお昼を兼ねて飲んでいたら、家人から「いま池袋。」というメールがくる。もとは渋谷で待ち合わせていたが、池袋で合流して、会場の渋谷「東急シアターオブ」へいく。


この会場ははじめてで、エレベーターで11階まで昇ろうとしたら、どれも満員なので、結局エスカレーターで、1階ずつ11階まで昇る。


13時半開場、14時開演。席は、2階最前列。



ブロードウェイミュージカル「ミリオンダラー・カルテット」は、'56年12月、エルヴィス・プレスリージョニー・キャッシュジェリー・リー・ルイスカール・パーキンスという同時代を生きた4人のスターが集結した"一夜限りのセッション"の裏側に迫る物語。


彼らの自負と対立、そして空前絶後の競演が、「ブルー・スエード・シューズ」「ザッツ・オール・ライト」ほか、不朽の名作に彩られて現代によみがえる。


ブロードウェイミュージカルを見るのは、ずっと前の『エルビス』以来。ロカビリーの実演を見るのが楽しみだ。


会場はステージを見下ろしやすいように、座席があとになるほど高くつくられている。舞台の両側に映画の字幕に相当する「日本語訳」が出るので、ステージでどんな話が展開されているのかもわかる。



サン・レコードをつくったサム・フィリップスは、新人を発掘する才能があって、エルビス・プレスリージョニー・キャッシュカール・パーキンスを見出したが、エルビスは、ハリウッドへ、ジョニー・キャッシュカール・パーキンスはコロンビアへ移籍していく。


このビッグトリオが一夜限りのセッションをしたときに、ピアノを弾いていたのが、まだ無名だったジェリー・リー・ルイス。彼は、このセッションのあと、3人のいなくなったサン・レコードを背負う大物スターになる。


といっても、出演者たちの会話が、その後の展開を想像させるだけで、舞台のセットは、サン・レコードのスタジオから動かない。


見せ場はもちろんロカビリーの実演。前半は、その日に演奏されたものが再現されているらしく、知らない曲が半分くらいあった。芝居のぶぶんは地味で、寝不足とお酒がまわって、ときどきコックリコックリ眠りかけた。しかし、音楽がはじまると、目が覚める。


エルビス・プレスリー役は、エルビス独特のマイクを使ったパフォーマンスがよかった。


ジョニー・キャッシュは、あの低音のヴォーカルがそっくりに再現される。


カール・パーキンスは声がにているのかどうかあまり判断がつきにくいけれど、バンドのギタリストの役割を果たしていた。パーキンスでなじみのある曲はビートルズがカバーしている「マッチボックス」が演奏された。


一番ノリのよかったのが、ピアノをはねるように弾きながら歌うジェリー・リー・ルイスで、ピアノで伴奏をしているときでも、派手なアクションで歌うときも、見ていてたのしかった。


ちなみに現在もジェリー・リー・ルイスは健在で、新しいレコードも出している。なかでも、ジミー・ペイジとの共演はおもしろかった。ジミーのギターといっしょに、レッド・ツェッペリンの「ロックンロール」を、ピアノを叩きながら歌っている。


後半に、サン・レコードのスタジオではなく、史実にとらわれない「ミリオンダラー・カルテット」のステージ・ショーがある。


の4曲が演奏されて、ショーが終わる。この4曲は、コンサートでいえば、アンコールのようなもので、1階席はほとんど立ち上がって、音楽を楽しんでいた。



帰りは、副都心線で渋谷から川越へ帰る。川越で、夕飯がてら「海峡」という居酒屋で飲む。




●こちらは本物のジェリー・リー・ルイスが歌う「WHOLE LOTTA SHAKIN' GOIN' ON」。